チャムパーサックの文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺跡群とは
「チャムパーサックの文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺跡群」は、ラオス南部に位置するヒンドゥー教の寺院遺跡群です。2001年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。5世紀から15世紀にかけて形成されたこの地域は、聖なる山(プー・カオ)と川(メコン川)を結ぶ軸線上に寺院や都市が計画的に配置されており、古代クメール人の宇宙観を反映した文化的景観をなしています。
世界遺産登録基準
- (iii) 1000年以上にわたりクメール帝国が築いたヒンドゥー教に基づく宇宙観と精神文化の顕著な証拠。
- (iv) 自然と人間が一体となったヒンドゥー教の思想を体現した、寺院、神殿、水利施設からなる建築群の優れた見本。
- (vi) 自然崇拝と王権思想が結びついた古代クメールの精神的・芸術的伝統を伝える顕著な見本。
遺産の詳細
この遺産は、アンコール・ワットよりも古い歴史を持つクメール帝国の重要な宗教的中心地でした。中心となるワット・プー寺院は、聖なる山とされるプー・カオ山の麓から中腹にかけて築かれており、山頂の泉から流れる聖水が儀式で用いられていました。山、川、都市、寺院が一体となった壮大な景観は、自然と人間の精神的な関係性を象_gする設計思想に基づいています。
主な構成資産
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| ワット・プー寺院複合体 | 山の麓から山頂に向かって参道、宮殿、祠堂が配置されたクメール建築の傑作。 |
| プー・カオ山 | 山頂に巨大なリンガ(シヴァ神の象徴)の岩があるとされるヒンドゥー教の聖なる山。 |
| 古代都市群 | メコン川沿いに広がる計画都市の遺構。ワット・プーへの参道の起点となっていた。 |