マカオ歴史地区とは
マカオ歴史地区は、中国の特別行政区マカオにある、ポルトガルと中国の文化が400年以上にわたって融合したユニークな景観を持つ地域です。2005年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。地区内には、ヨーロッパ風の広場や教会建築と、中国式の寺院や家屋が隣接して立ち並び、東西文明の交流を物語る20以上の歴史的建造物と複数の広場が含まれています。
世界遺産登録基準
- (ii) 中国と西洋の建築、芸術、宗教、文化が長期間にわたり交流したことを示す、他に類を見ない証拠である点。
- (iii) 中国におけるキリスト教の布教や、西洋式の医療・教育機関設立の歴史を物語る、現存する文化的伝統の証拠である点。
- (iv) 中国とポルトガルの文化が融合して生まれた建築様式や都市景観が、顕著な見本となっている点。
- (vi) 中国と西洋の戦略的、商業的、文化的な関係構築において、マカオが果たした歴史的な役割と深く関連している点。
主な構成資産
マカオ歴史地区は、広場と歴史的建造物が一体となって価値を形成しています。特に以下の場所は象徴的です。
| 構成資産名 | 特徴 |
|---|---|
| 聖ポール天主堂跡 | 17世紀初頭に建設された教会のファサード(正面壁)。精緻な彫刻が施され、マカオのシンボルとなっています。 |
| セナド広場 | 波模様の石畳(カルサーダス)が美しいマカオの中心的な広場。周囲には民政総署大楼などパステルカラーの西洋建築が並びます。 |
| モンテの砦 | 17世紀にイエズス会によって建設された要塞。マカオ市街と港を一望でき、防衛上の重要拠点でした。 |
| 媽閣廟(マーコミュウ) | マカオで最も古い中国寺院の一つで、地名の由来となった場所。航海の女神「媽祖」が祀られています。 |