万里の長城とは
万里の長城は、中国に築かれた歴史的な防御壁で、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この長城は、紀元前7世紀から17世紀の明代に至るまで、長期間にわたって建設され、その総延長は2万キロメートル以上に及びます。万里の長城は、中国の歴史、文化、建築技術を象徴する壮大な遺産です。
登録基準
- 登録基準(i) 人類の創造的才能を表現する傑作。
 - 登録基準(ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
 - 登録基準(iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
 - 登録基準(iv) 歴史上の重要な段階を物語る建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例。
 - 登録基準(vi) 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的・文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
 
遺産の価値
- 壮大な建築技術 万里の長城は、山岳や砂漠といった厳しい自然環境の中に、各時代の最高の土木技術を駆使して建設されました。石、レンガ、土など多様な材料が用いられ、地形と一体化したその姿は圧巻です。
 - 歴史的・文化的象徴 万里の長城は、中国の農耕文明を北方の遊牧民族から守るための防衛線であり、中国の歴史そのものを象徴する存在です。国家の誇りと抵抗のシンボルとして、文学や芸術の題材にもなってきました。
 
主な見どころ
| 名称 | 特徴 | 
|---|---|
| 八達嶺長城 | 北京市郊外に位置し、保存状態が非常に良く、最も観光客に人気のある区間。 | 
| 慕田峪長城 | 美しい景観で知られ、比較的傾斜が緩やかで緑豊かな山々に囲まれている。 | 
| 山海関 | 長城の東端が渤海に接する地点。「天下第一関」として知られる要衝。 | 
| 嘉峪関 | 長城の西端に位置する関城。シルクロードの要衝として栄えた砂漠の要塞。 |