シアン・カーン自然保護区とは
シアン・カーン自然保護区は、メキシコのユカタン半島に広がる広大な自然保護区で、1987年に世界自然遺産に登録されました。マヤ語で「天の起源」を意味するその名の通り、熱帯雨林、マングローブ林、湿地、そしてカリブ海に広がるサンゴ礁まで、多様な生態系が一体となった美しい景観が特徴です。
世界遺産としての価値
登録基準
- (vii) ひときわ優れた自然美や美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含む。
- (x) 生物多様性の本来的保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。
豊かな生物多様性と自然景観
この保護区の価値は、多様な生態系が凝縮されている点にあります。ジャガーやアメリカマナティーといった絶滅危惧種を含む多くの動植物の貴重な生息地となっており、生物多様性を維持する上で地球規模の重要性を持っています。また、手つかずの自然が織りなす景観は、訪れる人々に深い感動を与えます。
保護区の概要
約5,280平方キロメートルに及ぶ保護区内には、それぞれが重要な役割を担う生態系が存在します。
| 生態系 | 特徴 |
|---|---|
| マングローブ林 | 多くの魚類や鳥類の繁殖地・生息地となっている。 |
| 熱帯雨林 | 多様な陸上生物が生息する。 |
| ラグーン | 淡水と海水が混じり合う独特の生態系を形成。 |
| サンゴ礁 | メソアメリカン・バリア・リーフの一部をなし、海洋生物の宝庫。 |
シアン・カーンは、自然の美しさと生態学的な重要性を兼ね備えた、かけがえのない遺産です。