シャフレ・ソフテとは
シャフレ・ソフテは、イラン南東部、アフガニスタンとの国境に近い乾燥地帯に位置する青銅器時代の都市遺跡です。2014年に世界文化遺産に登録されました。「焼けた都市」を意味するその名は、過去に数度の火災に見舞われたことに由来します。紀元前3200年から紀元前1800年頃にかけて繁栄したこの都市は、当時のメソポタミアやインダス文明と交易を行う国際的な交易拠点でした。
世界遺産登録基準
- (ii) 青銅器時代のイラン高原東部における複雑な社会の出現と、周辺文明との文化・経済交流を示す最初の例の一つです。
- (iii) 紀元前3千年紀における、階級化された社会構造を持つ都市の出現を証明する、顕著で保存状態の良い証拠です。
- (iv) 当時の建築、埋葬慣習、工芸生産に関する豊富な情報を提供し、初期の都市社会の発展段階を示す優れた例です。
遺産の価値
シャフレ・ソフテの価値は、文字記録が発見されていない先史時代の複雑な社会構造を、考古学的遺物を通して具体的に示している点にあります。計画的に区画された居住区、工房、広大な墓地などが発見されており、高度な都市計画の存在がうかがえます。また、世界最古のアニメーションとみられる絵が描かれた杯や、義眼、脳外科手術の痕跡がある頭蓋骨など、当時の高い技術水準と文化を示す貴重な発見が相次いでいます。
主な特徴
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 計画的な都市構造 | 居住区、工業区、墓地などが明確に区画分けされている。 |
| 国際交易の拠点 | ラピスラズリやトルコ石など、遠隔地との交易を示す工芸品が多数出土。 |
| 高度な工芸技術 | 精巧な装飾が施された土器や金属製品、世界最古とされる義眼など。 |