概要
シャンティニケタンは、インド東部の西ベンガル州にある、詩人であり思想家のラビンドラナート・タゴール(1861-1941)が設立した教育と文化の共同体です。1901年に自然の中の学校として始まり、1921年には「ヴィシュヴァ・バーラティ(世界大学)」へと発展しました。その理念は、西洋と東洋の思想を融合させ、自然と調和した全人教育を行うことにあります。キャンパス内の建築物は、伝統的なインド建築にモダニズムや地域性を加えた独特のスタイルが特徴で、タゴールの教育理念を空間的に表現しています。この革新的な教育・文化モデルが評価され、2023年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録
2023年に世界文化遺産として登録されました。
- 登録基準(iv): 20世紀初頭の教育改革と国際主義の理念を反映した、建築と景観デザインの顕著な見本であること。
- 登録基準(vi): 古代インドの精神性と、国境を越えた人間の団結というタゴールの思想が顕著に表現されていること。
主な建築物
| 建築物名 | 特徴 |
|---|---|
| ウパサナ・グリハ(祈りの館) | 1863年に建てられたガラス張りの祈りの場で、シャンティニケタンの象徴的存在。 |
| パタ・バヴァナ(芸術学部) | 屋外の教室や壁画が特徴で、自然と芸術の融合という理念を体現している。 |
| ウッタラヤン・コンプレックス | タゴールが晩年を過ごした複数の建物からなる区域で、彼の生活と創作活動の場。 |