ケルクアンの古代カルタゴ都市とネクロポリスとは
ケルクアンは、チュニジアのボン岬半島に位置する古代カルタゴ(ポエニ)時代の都市遺跡で、そのネクロポリス(集団墓地)とともに1985年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。紀元前3世紀の第一次ポエニ戦争で放棄された後、ローマ人による再建を免れたため、ポエニ文明の都市計画や建築様式を純粋な形で今に伝える唯一の遺跡として、極めて高い歴史的価値を持っています。
世界遺産登録基準
- (iii) ケルクアンの遺跡は、ローマの影響を受ける以前のカルタゴ文明の都市計画と建築に関する、現存する唯一かつ最も完全な証拠を提供しています。
遺跡の特徴
ケルクアンの遺跡は、高度な都市計画に基づいて建設されたことを示しています。各住居は洗練された設計で、床には美しいモザイク装飾が施され、各戸に専用の浴槽が備わっていました。これは、古代世界でも非常に先進的なものでした。
遺跡名 | 特徴 |
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住居跡 | 碁盤の目状に区画され、中庭を持つ家々が整然と並ぶ。各戸に浴槽が設置されているのが特徴。 |
神殿 | 海岸沿いに神殿の遺構が残されており、当時の人々の信仰をうかがい知ることができる。 |
ネクロポリス | 都市の郊外の丘に位置する墓地遺跡。様々な形式の墓が発見されており、当時の埋葬習慣を知る上で重要。 |