ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場とは
フランス北東部の都市ナンシーにある、18世紀の都市計画を代表する3つの広場群です。ポーランド王を退位しロレーヌ公となったスタニスラス・レシチンスキーの命により、建築家エマニュエル・エレの設計で建設されました。啓蒙時代の壮麗で調和のとれた都市空間の傑作とされています。
遺産の価値と登録基準
この遺産の価値は、旧市街と新市街を見事に結びつけ、一体感のある都市空間を創り出した点にあります。ロココ様式の優美な装飾が施された門や噴水、そしてそれらを取り囲む古典主義様式の建築群が完璧な調和を見せており、18世紀ヨーロッパの王権と都市計画の理想を体現しています。
- 登録基準(i): 啓蒙時代の精神を反映した、最も調和がとれ、かつ壮大な都市計画の傑作である。
- 登録基準(iv): 当時の首都として最も先進的な都市計画の優れた例であり、その後のヨーロッパ諸国の都市計画に大きな影響を与えた。
各広場の特徴
3つの広場はそれぞれ異なる役割と特徴を持ちながら、一体として設計されています。
| 広場名 | 特徴 |
|---|---|
| スタニスラス広場 | 市庁舎やオペラ座に囲まれた、最も壮麗な広場。ジャン・ラムール作の金箔を施した鉄細工の門や、ネプチューンの噴水が美しい。 |
| カリエール広場 | スタニスラス広場から凱旋門を抜けた先にある、並木道を持つ細長い広場。左右対称の古典主義建築が並ぶ。 |
| アリアンス広場 | フランスとオーストリアの同盟(アライアンス)を記念して名付けられた広場。中央の噴水と落ち着いた雰囲気が特徴。 |
概要
| 所在地 | フランス、グラン・テスト地域圏 |
| 登録年 | 1983年 |
| 登録基準 | (i), (iv) |