隊商都市ペトラとは
隊商都市ペトラは、ヨルダン南西部に位置する古代遺跡で、1985年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。紀元前312年頃にナバテア人によって建設され、香辛料貿易の拠点として繁栄しました。赤い砂岩の崖を彫り込んで造られた建造物群が特徴で、「ローズシティ」の愛称で知られています。
世界遺産登録基準
- (i) エル・ハズネ(宝物殿)やエド・ディル(修道院)に代表される、岩窟建築の傑作。
- (iii) 消滅したナバテア文明の文化的伝統を伝える他に類を見ない証拠。
- (iv) 古代オリエントの伝統とヘレニズム建築が融合した独自の建築様式を示す顕著な見本。
遺産の詳細
ペトラは、古代の交易ルートの交差点に位置し、ナバテア王国の首都として栄えました。ヘレニズム、ローマ、アラビアなど多様な文化の影響を受けた建築が特徴で、特に赤い砂岩に彫られた墓や寺院、劇場はその壮大さと技術の高さで知られています。また、断崖の亀裂を利用した水路など、当時の高度な水利システムも残っています。
主な遺跡
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| エル・ハズネ(宝物殿) | 高さ約40mの壮大なファサードを持つ岩窟墳墓。映画のロケ地としても有名。 |
| エド・ディル(修道院) | ペトラ最大の建造物。高台にあり、周囲の景色を一望できる。 |
| ローマ劇場 | 3000人以上を収容できる岩窟劇場。ローマ支配時代に拡張された。 |
| 王家の墓 | ナバテア王族の墓とされる壮麗な岩窟墳墓群。 |