パフォスの考古遺跡の写真

パフォスの考古遺跡

パフォスの考古遺跡とは

パフォスは、地中海に浮かぶ島国キプロスの南西岸に位置する古代都市遺跡です。ギリシャ神話の愛と美の女神アフロディーテ生誕の地とされるこの場所は、古代ギリシャ・ローマ時代にキプロスの首都として繁栄しました。遺跡には、壮麗なヴィラ(邸宅)、宮殿、劇場、要塞、そして地下に広がる墓地群が残されており、特に床面を飾る見事なモザイク画は世界的に有名です。これらの遺跡群は、古代地中海世界の生活、文化、信仰を伝える貴重な証拠として、1980年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

登録基準

パフォスの考古遺跡は、以下の2つの基準を満たしたと評価されています。

  • (iii) 現存しない文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。ローマ時代の総督邸宅跡などで発見されたモザイク画は、その芸術性の高さと保存状態の良さから、古代ローマの生活や神話を伝える他に類を見ない証拠とされています。
  • (vi) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接に、または明白に関連するもの。先史時代から続くアフロディーテ信仰の中心地であり、その崇拝は古代地中海世界全体に大きな影響を与えました。

遺産の価値

パフォスの価値は、その歴史的・芸術的な側面にあります。

  • 歴史的価値: 紀元前12世紀のミケーネ文明期からローマ時代、ビザンツ時代に至るまで、長きにわたる歴史の層が積み重なっています。古代キプロスの首都として、政治・経済・文化の中心地であった歴史を物語っています。
  • 芸術的価値: 「ディオニュソスの家」や「テセウスの家」などで発見されたモザイク画は、ギリシャ神話の物語を色彩豊かに描いており、ローマ時代のモザイク芸術の最高傑作の一つと称されています。

遺産の概要

地理と気候

キプロスの西海岸に位置し、温暖な地中海性気候に恵まれています。古代から港湾都市として栄えました。

主要な遺構

遺跡はカト・パフォス考古学公園を中心に広がっています。

  • モザイク画: ローマ時代の貴族の邸宅跡から発見された床モザイク。「ディオニュソスの家」「オルフェウスの家」「テセウスの家」「アイオンの家」の4つの邸宅が有名です。
  • 王の墓(ネクロポリス): 紀元前4世紀頃に造られた岩窟墓群。王族ではなく、当時の有力者の墓と考えられていますが、その壮大さから「王の墓」と呼ばれています。
  • オデオン(古代劇場): ローマ時代に建設された半円形の野外劇場。現在も音楽会などに使用されています。

観光と保全

キプロスを代表する観光地であり、多くの観光客が訪れます。遺跡の大部分は屋外にあるため、風雨による劣化が懸念されており、モザイク画を保護するためのシェルターの設置など、継続的な保存活動が行われています。

遺構 特徴
ディオニュソスの家 酒の神ディオニュソスの生涯を描いた、色彩豊かなモザイク画が有名。
テセウスの家 ギリシャ神話の英雄テセウスの活躍を描いた大規模なモザイク画がある。
王の墓(ネクロポリス) 地下に広がる壮大な岩窟墓群。ドーリア式の列柱が見られる。
古代劇場(オデオン) 約1,200人を収容したとされる石造りの半円形劇場。

パフォスの考古遺跡の基本情報

                         
国名 キプロス共和国
世界遺産の名称 パフォスの考古遺跡
遺産の種類 文化遺産
登録年 1980
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅲ)(ⅵ)
備考
範囲(ヘクタール)162.0171
地図

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