ポツダムとベルリンの宮殿と庭園とは
ポツダムとベルリンの宮殿と庭園は、ドイツの首都ベルリンと近郊のポツダムに広がる広大な文化景観で、1990年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。18世紀から20世紀初頭にかけてプロイセン王国の歴代君主によって築かれ、数多くの宮殿と芸術的な庭園が調和した、ヨーロッパでも屈指の美しい景観を形成しています。
遺産の価値
この遺産の価値は、啓蒙思想からロマン主義まで、ヨーロッパの思想や芸術の潮流を反映した多様な建築様式と庭園設計が、一つの景観として見事に統合されている点にあります。
- 建築と庭園の多様性: サンスーシ宮殿のロココ様式、ツェツィーリエンホーフ宮殿のイギリス田園住宅様式など、多彩な建築様式が点在し、それらを取り巻く庭園もフランス式整形庭園やイギリス式風景庭園など多様性に富んでいます。
- 歴史的舞台: プロイセン王国の栄華を象徴するだけでなく、第二次世界大戦後のポツダム会談の舞台となるなど、世界史の重要な出来事とも深く関わっています。
登録基準
この世界遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、登録に至りました。
- (i) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (ii) ある期間、あるいは世界の文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に重要な影響を与えた、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、あるいは景観の顕著な見本。
主な宮殿と庭園
広大な敷地には数多くの見どころが存在します。
宮殿・庭園名 | 特徴 |
---|---|
サンスーシ宮殿 | フリードリヒ大王の夏の離宮。ロココ様式の傑作で「憂いなし」を意味する。 |
ツェツィーリエンホーフ宮殿 | ポツダム会談の舞台として知られるイギリス風の宮殿。 |
新宮殿 | プロイセンの国力を示すために建てられた壮大なバロック様式の宮殿。 |
参考文献
「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」. UNESCO World Heritage Centre. https://whc.unesco.org/ja/list/532