パドヴァの14世紀フレスコ画作品群とは
イタリア北部の都市パドヴァにある、14世紀に制作されたフレスコ画群で、2021年に世界文化遺産に登録されました。この遺産は、西洋美術の父と称されるジョットが手掛けたスクロヴェーニ礼拝堂をはじめ、市内8つの宗教・世俗建築物群に残るフレスコ画から構成されます。これらの作品群は、空間表現や人間感情の描写において革新をもたらし、ルネサンス美術の発展に決定的な影響を与えました。
主な構成資産
以下の施設を含む8つの資産で構成されています。
- スクロヴェーニ礼拝堂:ジョットによる一連のフレスコ画は、遠近法や人物の感情表現において西洋絵画史の転換点となった傑作です。
- エレミターニ隠修士教会:マンテーニャのフレスコ画(大部分は第二次大戦で焼失)で知られ、グアリエントの作品が現存します。
- パドヴァ大聖堂洗礼堂:ジュスト・デ・メナブオイによる壮大なフレスコ画が壁と天井を埋め尽くしています。
世界遺産登録基準
- (ii) 14世紀を通じてパドヴァで発展したフレスコ画の新しい様式は、芸術家間の科学的知見や思想の交流を促し、イタリアおよびヨーロッパの絵画史における新時代の幕開けとなった。