オカピ野生動物保護区とは
オカピ野生動物保護区は、コンゴ民主共和国の北東部、イツリ森林に位置し、1996年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。「森のキリン」とも呼ばれる希少動物オカピの保護を主な目的として設立された保護区です。
約13,700平方キロメートルの広大な熱帯雨林には、オカピの個体数の約5分の1が生息しているとされ、生物多様性の保全において極めて重要な地域となっています。
登録基準
- 登録基準 (x): 生物多様性の保全上、最も重要な自然生息地であること。オカピをはじめ、マルミミゾウやチンパンジー、13種の霊長類など、多くの絶滅危惧種や固有種が生息していることが評価されました。
遺産の価値
この保護区の最大の価値は、希少動物オカピの最大の生息地であることです。また、手つかずの熱帯雨林生態系が維持されており、多様な動植物の遺伝子プールとして地球規模で重要です。先住民であるムブティ族やエフェ族の文化が森林と密接に結びついている点も、文化的価値を高めています。
遺産の概要
地理と環境
コンゴ民主共和国北東部のイツリ川流域に広がる熱帯雨林地帯です。年間を通じて高温多湿で降水量が多く、豊かな植生が特徴です。
主要な動植物
保護区の象徴であるオカピのほか、多様な哺乳類や鳥類が生息しています。
動物 | 植物 |
---|---|
オカピ | 熱帯雨林の樹木 |
マルミミゾウ | 湿地植物 |
チンパンジー | 大型の木生シダ |
観光と保全
政情不安や密猟、違法な資源採掘などが深刻な脅威となっており、保護区は危機遺産リストに登録されています。レンジャーによるパトロールや地域住民への啓発活動など、国際的な支援を受けながら懸命な保全活動が続けられています。観光客の立ち入りは厳しく制限されています。