シタデル、サン・スーシ城、ラミエール国立歴史公園
ハイチ北部に位置する「シタデル、サン・スーシ城、ラミエール国立歴史公園」は、1982年に世界文化遺産に登録されました。これらの建造物群は、1804年にハイチがフランスから独立を果たした後、元奴隷たちが自由の象徴として建設したもので、普遍的な自由のシンボルとして高く評価されています。
世界遺産登録基準
- 登録基準 (iv): ある期間を代表する建築様式、建築技術、科学技術の発展を示す顕著な見本であること。シタデルやサン・スーシ城は、独立後のハイチにおける防衛と統治の思想を体現した建築群です。
- 登録基準 (vi): 顕著な普遍的意義を有する出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、文学的作品と直接または明白に関連すること。奴隷制度に対する抵抗の末に建国された国家の記念碑として、人類史における自由の獲得を象徴しています。
遺産の概要と価値
この歴史公園は、ハイチ革命の指導者アンリ・クリストフによって建設されました。巨大な要塞であるシタデル・ラフェリエールは、フランスの再侵攻に備えて山頂に築かれ、その麓には「ハイチのヴェルサイユ」とも称されたサン・スーシ城が建てられました。これらの建造物は、独立を勝ち取った人々の誇りと、自由を守り抜くという強い意志を物語っています。建築様式にはヨーロッパの影響が見られますが、その建設の背景にはハイチ独自の歴史と文化が深く根付いています。
主な構成資産
遺跡名 | 特徴 |
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シタデル・ラフェリエール | 標高約900mの山頂に築かれた西半球最大の要塞。 |
サン・スーシ城 | アンリ・クリストフ王の居城であった壮麗な宮殿跡。 |
ラミエールの建造物群 | 宮殿に付随する管理施設や居住区の跡。 |