ナミブ砂海の写真

ナミブ砂海

ナミブ砂海

ナミブ砂海は、ナミビア大西洋岸に広がる世界で唯一の沿岸砂漠であり、その独特の自然現象と景観美が評価され世界自然遺産に登録されました。数百万年以上という非常に長い時間をかけて形成されたこの砂漠は、内陸の川から運ばれた砂が海流と風によって再び陸地に押し戻されることで生まれました。霧が頻繁に発生し、砂漠の生命にとって貴重な水分を供給しているのが最大の特徴です。

霧が育む沿岸砂漠

ナミブ砂海の景観は、風によって形成された多様な砂丘が特徴です。星形砂丘や三日月形砂丘などが連なり、その色は含有する鉄分の酸化によって赤く染まっています。この過酷な環境に適応するため、動植物は霧から水分を摂取する独自の進化を遂げました。甲羅についた霧の水滴を集めて飲むゴミムシダマシや、地中に長く根を張る植物など、多くの固有種が生息する生物多様性の宝庫でもあります。

ナミブ砂海の特徴 詳細
地質学的価値 数百万年にわたる砂の輸送プロセスによって形成された、世界で最も古い砂漠の一つ。
霧の発生 寒流であるベンゲラ海流の影響で発生する霧が、生態系の主要な水分源となっている。
生態学的多様性 霧を利用して生きる昆虫や爬虫類、植物など、多くの固有種が生息している。
美的価値 変化し続ける砂丘の造形美や、日の光によって刻々と色を変える砂の景観。

世界遺産登録基準

  • (vii) 広大な砂丘が海に接する景観や、霧が生み出す幻想的な風景など、他に類を見ない自然美を有します。
  • (viii) 地球上で最も古い砂漠の一つであり、砂丘の形成と変化に関する地質学的なプロセスを示す顕著な例です。
  • (ix) 霧を生命線とする、砂漠環境における生物の進化と適応のプロセスを示す貴重な見本です。
  • (x) 砂漠の極限環境に適応した多くの固有種や絶滅危惧種が生息し、生物多様性の保全上重要な地域です。

ナミブ砂海の基本情報

                         
国名 ナミビア共和国
世界遺産の名称 ナミブ砂海
遺産の種類 自然遺産
登録年 2013
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)
備考
範囲(ヘクタール)3077700
地図

関連する世界遺産

  1. リオ・プラタノ生物圏保護地域の写真

    リオ・プラタノ生物圏保護地域

  2. 中国の黄海-渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第1段階)の写真

    中国の黄海-渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第1段階)

  3. ドナウ・デルタの写真

    ドナウ・デルタ

  4. テイデ国立公園の写真

    テイデ国立公園

  5. レナ川の石柱自然公園の写真

    レナ川の石柱自然公園

  6. ドーセット及び東デヴォン海岸の写真

    ドーセット及び東デヴォン海岸

  7. ワディ・アル・ヒタン(鯨の谷)の写真

    ワディ・アル・ヒタン(鯨の谷)

  8. パンタナル自然保護区の写真

    パンタナル自然保護区

  9. シュンドルボンの写真

    シュンドルボン