南漢山城とは
南漢山城(ナムハンサンソン)は、韓国の京畿道に位置する歴史的な山城で、2014年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この城は、朝鮮時代に首都漢陽(現在のソウル)の南の防衛拠点として建設されました。標高480メートル以上の険しい地形を利用して築かれた南漢山城は、その戦略的な位置と優れた防衛システムで知られています。
登録基準
- 登録基準(ii) 「ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの」。城の設計と建設には、中国や日本の築城技術の影響が見られ、朝鮮独自の建築技術と融合しています。
- 登録基準(iv) 「歴史上の重要な段階を物語る建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例」。南漢山城は、朝鮮時代の防衛建築技術の粋を集めたものであり、その設計と構造は当時の最先端技術を反映しています。
遺産の価値
- 建築技術の集大成 南漢山城は、朝鮮時代の防衛建築技術を結集した要塞であり、その設計には東アジアの様々な築城技術の影響が見られます。城壁、門、甕城(城門を守る半円形の壁)など、多様な防衛施設から構成されています。
- 歴史的意義 南漢山城は、朝鮮時代の防衛拠点として重要な役割を果たしました。特に、1636年の丙子の乱では、国王仁祖がこの城に籠城し、清軍に対する抵抗を続けました。この出来事は、朝鮮の歴史における重要な転換点となりました。
主な構成資産
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| 城壁 | 全長約12kmに及ぶ石垣。地形を巧みに利用して築かれている。 |
| 東西南北の四大門 | 城の主要な出入り口であり、それぞれが防衛の要として機能した。 |
| 守禦将台 | 城内で最も高い場所に位置する指揮所。広範な視界を確保できる。 |