博物館島の概要
ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島)は、ドイツの首都ベルリンを流れるシュプレー川の中州に位置する、5つの世界的に有名な博物館が集まる地区です。プロイセン王国の啓蒙思想に基づき、1830年から1930年にかけて建設されました。古代から19世紀までのヨーロッパと中東の芸術・文化遺産を収蔵する一大文化拠点であり、その建築群とコレクションの重要性から1999年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) 博物館という施設の発展において、非常に重要な影響を与えた。
- (iv) 啓蒙主義の理念を建築で表現した、近代的な博物館設計の顕著な例である。
遺産の価値
博物館島の価値は、その建築群と、人類の文化遺産を収蔵・展示する文化的使命にあります。
- 建築の多様性
古典主義様式の旧博物館から、ネオ・ルネサンス様式の新博物館、そして巨大なペルガモン博物館まで、約100年間にわたる博物館建築の変遷を見ることができます。 - 文化遺産の集積
古代エジプトの「ネフェルティティの胸像」やバビロニアの「イシュタル門」、ヘレニズム彫刻の傑作「ペルガモンの大祭壇」など、世界史的に貴重なコレクションを収蔵しています。
主な博物館
| 博物館名 | 主な収蔵品・特徴 |
|---|---|
| アルテス・ムゼウム(旧博物館) | 古代ギリシャ・ローマの美術品を展示。カール・フリードリヒ・シンケル設計の古典主義建築。 |
| ノイエス・ムゼウム(新博物館) | エジプト美術と先史時代のコレクション。「ネフェルティティの胸像」が有名。 |
| アルテ・ナショナルギャラリー(旧国立美術館) | 19世紀のロマン主義から印象派までの絵画・彫刻を展示。 |
| ボーデ博物館 | ビザンティン美術、中世ヨーロッパの彫刻、貨幣コレクションを収蔵。 |
| ペルガモン博物館 | 「ペルガモンの大祭壇」や「イシュタル門」など、古代オリエントの巨大な建築物を再構築して展示。 |