ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)の写真

ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)

ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)とは

ヴィクトリアの滝は、アフリカ南部のザンベジ川中流域に位置し、ザンビアとジンバブエの国境をなす世界最大級の滝です。1989年に世界自然遺産に登録されました。幅約1,700m、最大落差108mにわたって巨大な水煙を巻き上げながら流れ落ちる姿は圧巻で、一枚の水の壁としては世界最大の規模を誇ります。

現地では「モシ・オ・トゥニャ(雷鳴の轟く水煙)」と呼ばれ、その名の通り、滝の轟音は遠くまで響き渡り、水煙は数百メートル上空まで立ち上ります。

登録基準

  • 登録基準 (vii): 類いまれな自然美や美的価値を持つ自然現象または地域。
  • 登録基準 (viii): 地球の歴史の主要な段階を示す顕著な見本。滝が形成された地質学的な過程と、現在も続く浸食活動が評価されました。

遺産の価値

ヴィクトリアの滝の価値は、その圧倒的なスケールと自然美にあります。また、玄武岩の台地をザンベジ川が浸食して形成したジグザグ状の峡谷は、地球のダイナミックな活動を物語る地質学的な見本です。滝の水煙によって育まれる周辺の熱帯雨林は、滝周辺に独自の生態系を形成しており、生物多様性の観点からも重要です。

遺産の概要

地理と環境

ザンベジ川が広大な玄武岩の台地の裂け目に流れ込むことで形成されています。雨季(11月~4月)には水量が増し、最も迫力のある姿を見せますが、乾季には水量が減り、滝の断崖をはっきりと見ることができます。

主要な自然要素

滝本体だけでなく、それを取り巻く環境全体が見どころです。

自然要素 特徴
滝本体 幅1,708m、最大落差108m。5つの主要な滝から構成される。
滝の峡谷 滝の下流に続くジグザグ状の峡谷。川の浸食によって形成された。
デビルズプール 乾季にザンビア側に出現する、滝の断崖絶壁にある天然のプール。
月の虹(ルナレインボー) 満月の夜、滝の水煙に月の光が反射して現れる珍しい現象。

観光と保全

世界的な観光地であり、ザンビア側とジンバブエ側の両方から滝を眺めることができます。観光客の増加が環境に与える影響を管理し、生態系を守るための持続可能な観光が重要な課題となっています。

ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)の基本情報

                         
国名 ザンビア共和国 ジンバブエ共和国
世界遺産の名称 ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)
遺産の種類 自然遺産
登録年 1989
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅶ)(ⅷ)
備考
範囲(ヘクタール)6860
地図

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