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WORLD HERITAGE

アフガニスタン文化遺産2002年登録

ジャムのミナレットと考古遺跡群

アフガニスタンのグール州、険しい河谷に立つ12世紀ゴール朝のミナレットです。精緻な焼成レンガとクーフィー体碑文をもつ塔は、中央アジアのイスラーム建築と後世への影響を示します。

ジャムのミナレットと考古遺跡群(アフガニスタン)のイメージイラスト

ESSENTIAL FACTS

基本情報と登録基準

登録年
2002年
登録基準
(2)・(3)・(4)
種類
文化遺産
国・地域
アフガニスタン

WHY IT MATTERS

この世界遺産について

ジャムのミナレットと考古遺跡群とは

アフガニスタンのグール州、ハリー・ルード川とジャム川が合流する険しい谷にある文化遺産です。高さ65メートルのミナレットと周囲の考古遺跡は、12~13世紀にこの地域を支配したゴール朝の文化を伝えます。2002年に登録基準(ii)(iii)(iv)で世界遺産となり、同時に危機遺産リストへ記載されました。UNESCOの登録欄に示される面積は70ヘクタール、緩衝地帯は600ヘクタールです。

焼成レンガの高塔

塔は八角形の基壇から細く立ち上がり、上へ向かって細くなる円筒状の塔身を焼成レンガで築いています。表面を幾何学文様の浮き彫り装飾が覆い、青緑色のタイルによるクーフィー体碑文が彩りを添えます。構造技術と装飾が一体になった建築です。

UNESCOの顕著な普遍的価値の説明では、1194年にスルタン、ギヤースッディーンのもとで建設されたとされています。塔の姿だけでなく、刻まれた文字も、その建立を知る手がかりです。

ゴール朝の都市を示す遺構

周囲には城砦や塔などの集落の痕跡があり、クシュカクの丘からは11~12世紀のヘブライ語碑文をもつ石材も知られています。UNESCOは、この場所がゴール朝の夏の都と考えられるフィルーズクーフに当たる可能性を示していますが、都市の同定を確定事項とはしていません。王朝の塔だけでなく、周辺に残る異なる文字や建物の痕跡も、地域の歴史をたどる資料となっています。

インドへ広がった建築表現と三つの登録基準

ジャムの建築と装飾は、地域の先行する表現を組み合わせ、後の建築にも影響を与えました。UNESCOは、インドへ及ぶ影響を示す例としてデリーのクトゥブ・ミナールを挙げています。

基準(ii)は、この革新的な建築と装飾がインド亜大陸などの芸術・建築の発展に果たした役割を評価します。基準(iii)は、ミナレットと関連遺跡が伝えるゴール朝文明の力と文化の水準、基準(iv)は、この地域のイスラーム建築・装飾の優れた例であり、その表現の伝播にも関わった点を評価します。

洪水対策を支える住民の仕事

二つの川の合流部という立地は、季節的な急激な増水にさらされることも意味します。UNESCOの事業紹介によると、2019年4月の洪水は塔の基部付近の擁壁を損傷させ、周囲に土砂やがれきを残しました。

2022年2~3月には、UNESCOの支援でハリー川とジャム川の河床から、水の流れを妨げる石や堆積物を取り除く緊急作業が行われました。同年6月の報告では、地元業者と協力した3週間の作業に、6村から60人の住民が日々従事し、短期の賃金を伴う雇用機会となったとされています。アフガニスタンのNGO、HAFOには、塔と河川防護施設の安定性に加え、地域の生活状況や必要な支援の調査が委託されました。遺産の保護と住民の暮らしを、同じ事業の中で捉えた例です。

2026年の保全判断

2026年の世界遺産委員会決議48 COM 7A.24は、現場の警備、塔の遠隔監視、ガビオンによる洪水対策、地域住民の必要に応える吊橋の設置などを評価しました。一方で、季節的な洪水はなお重大な脅威であり、気候変動がそれを悪化させているとして、詳しい水理調査と長期的な予防策を求めています。

塔の傾斜を継続して測ること、周辺の地盤を調べること、基壇の八つの面を含む装飾を記録し、表面装飾の監視と緊急修復を進めることも課題です。軽微な境界変更の申請準備についても進捗報告が求められており、登録面積が示されていることだけで境界に関する作業が完了したとはいえません。

同委員会は危機遺産リストへの記載継続を決定しました。2026年10月31日の確認時点でも、記載期間は2002年から継続中です。防護工事の実施は重要な進展ですが、それだけで塔の長期的な安定や保全上の課題が解決したことにはなりません。

世界遺産検定で覚えるポイント

ジャムのミナレットと考古遺跡群はアフガニスタンの文化遺産で、2002年登録、登録基準は(ii)(iii)(iv)です。ゴール朝、UNESCOが示す建設年1194年、高さ65メートル、焼成レンガとクーフィー体碑文、クトゥブ・ミナールへ及ぶ建築的影響が特徴です。登録と同時に危機遺産となり、2026年も記載が続いています。

参考文献

UNESCO:Minaret and Archaeological Remains of Jam
世界遺産委員会決議48 COM 7A.24(2026年)
UNESCOカブール事務所:ジャムの保護事業第1期
UNESCO:地域住民と進めるジャムの保護(2022年)

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世界遺産検定で押さえるポイント

  • ジャムのミナレットと考古遺跡群はアフガニスタンの文化遺産で、2002年登録、登録基準は(ii)(iii)(iv)です。
  • ゴール朝、UNESCOが示す建設年1194年、高さ65メートル、焼成レンガとクーフィー体碑文、クトゥブ・ミナールへ及ぶ建築的影響が特徴です。
  • 登録と同時に危機遺産となり、2026年も記載が続いています。
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