概要
ラヴォー地域のブドウ畑は、スイスのレマン湖北岸、ローザンヌとモントルーの間に広がる約30kmにわたるブドウ栽培地域です。急な斜面に沿って築かれた石垣の段々畑が、湖とアルプスの山々を背景に壮大な景観を生み出しています。この地でのワイン造りの歴史は11世紀に修道士たちによって始まり、以来、何世紀にもわたる人々の営みがこの独特の文化的景観を形成しました。その価値が認められ、2007年に世界文化遺産に登録されました。
「3つの太陽」に育まれるブドウ
ラヴォーの高品質なワインは、「3つの太陽」の恵みによって育まれると言われています。
- 空から降り注ぐ太陽の光
- レマン湖の湖面が反射する光
- 日中に熱を蓄え、夜間に放射する石垣の熱
この独特の微気候(ミクロクリマ)が、特に白ワイン用のシャスラ種のブドウ栽培に最適な環境を提供しています。
文化的景観と観光
この地域には、サン・サフォランなど、ブドウ畑の中に佇む美しい村が点在しています。曲がりくねった細い道、歴史あるワイン生産者の家屋、そしてどこからでも望めるレマン湖の絶景が、訪れる人々を魅了します。畑の中を縫うように整備された遊歩道をハイキングしながら、ワイナリー(カーヴ)での試飲を楽しむことができます。
世界遺産登録基準
- (iii) 消失した文明の存在を証明する、類いまれな証拠であること。
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術の集合体、または景観の顕著な見本であること。
- (v) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落や土地利用の顕著な見本であること。