WORLD HERITAGE
ウニアンガ湖群
年間降水量2ミリ未満のサハラに、地下水と蒸発抑制の仕組みで18の恒久湖が保たれます。ウニアンガ・ケビールとセリール、塩湖・淡水湖、浮遊ヨシ、登録基準(vii)、住民生活と洪水リスクを解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 2012年
- 登録基準
- (7)
- 種類
- 自然遺産
- 国・地域
- チャド
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
基本情報と遺産の価値
ウニアンガ湖群はチャド北東部、サハラ砂漠の超乾燥地域にあり、2012年に登録基準(vii)で登録された世界自然遺産です。登録面積62,808ヘクタール、緩衝地帯4,869ヘクタールです。年間降水量が2ミリメートル未満の環境に、塩湖、高塩湖、淡水湖を含む18の恒久湖が二群に分かれて存在します。地下水、湖底地形、風、蒸発、浮遊植物が組み合わさる独特な水文系と、湖水、ヤシ、砂丘、砂岩の色彩が価値です。
一万年前の大湖と地下水
現在の湖盆は一万年足らず前には、より大きな一つの湖に覆われていました。その後の乾燥化で湖は分かれましたが、帯水層からの地下水供給が蒸発損失を補い、砂漠中央に恒久湖を維持してきました。登録時の記述では水位は季節的な小変動を除き安定するとされます。しかし2024年には洪水と水位上昇後の脅威評価に緊急支援が承認されており、過去の安定性を現在の状態として断定せず、最新の水位と水質を確認します。
ケビールとセリールの湖の構成
二群は約40キロメートル離れます。ウニアンガ・ケビールには4湖があり、最大のヨアン湖は358ヘクタール、深さ27メートルで、高塩分のため主に藻類と微生物が生息します。ウニアンガ・セリールには砂丘で隔てられた14湖があり、浮遊するヨシが水面の大きな部分を覆って蒸発を抑えます。テリ湖は436ヘクタールと最大面積ですが、深さは10メートル未満です。一部の淡水湖には魚類などの水生生物がいます。
色彩と『砂漠を流れる波』
湖水は化学組成と深さ、藻類、光によって青、緑、赤みを帯び、ヤシ、緑のヨシ、褐色の砂丘と砂岩がモザイク状の景観をつくります。風が浮遊ヨシを動かす様子は『砂漠を流れる水の波』に例えられます。自然美を写真の色だけで評価せず、色が塩分と生物、水文条件を反映することを説明します。展望地点からの景観と、湖岸の繊細な地形・植生を両立して守る必要があります。
登録基準(vii)
登録基準(vii)は、超乾燥砂漠に恒久湖群が存在する類例の少ない自然現象と、色彩豊かな湖、浮遊ヨシ、ヤシ、砂丘、砂岩がつくる格別な自然美を評価します。地形形成を主とする(viii)ではなく、自然現象と景観美の(vii)のみで登録されています。水文系はなお完全には解明されていないため、仕組みを単一の地下水脈で説明し切らず、湖同士の関係と蒸発抑制を研究途上の過程として示します。
完全性・住民生活と保全
ヨアン湖とテリ湖周辺には人々が暮らし、農業、水利用、交通が湖の保全と関係します。登録時の住民数を現在値として使わず、地域共同体の自主的な保全と伝統農業を尊重します。集約農業、都市化、ごみ、車両の湖岸侵入、観光、採鉱がリスクで、採鉱は禁止されています。水位上昇や洪水への対応も、湖岸住民の安全、飲料水、生計を優先しながら、水質と景観を長期観測する必要があります。
世界遺産検定で覚えるポイント
国はチャド、登録年は2012年、登録基準は(vii)です。18湖、二群、約40キロメートル、年間降水量2ミリ未満、地下水、ウニアンガ・ケビール4湖、セリール14湖、ヨアン湖、テリ湖、浮遊ヨシを関連づけます。一万年前の大湖と現在の多様な塩分も重要です。最大面積はテリ湖、ケビール最大で深い高塩湖はヨアン湖という違いを整理します。
旅行計画と湖への配慮
遠隔砂漠では道路、燃料、水、通信、医療、車両故障、暑熱と砂嵐が重大なリスクです。湖岸へ車両で入り、ヨシや地形を傷つけ、水へ物を投げたり洗剤を使ったりしません。集落と水場は住民の生活基盤です。入域、道路、水位、洪水、気象、治安は変わるため、この原稿は訪問を勧めず、チャド当局、管理者、日本の外務省などの最新情報で直前確認を求めます。
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