概要
ニューカレドニアのサンゴ礁は、南太平洋に位置するフランスの海外領土ニューカレドニアを取り囲む、世界最大級の堡礁(バリアリーフ)です。全長約1,600kmに及ぶサンゴ礁と、それが作り出す約24,000平方キロメートルの広大なラグーン(礁湖)が特徴です。その規模と生物多様性の豊かさから、海洋生態系の進化を知る上で非常に重要な場所とされています。
豊かな生態系
このサンゴ礁とラグーンは、非常に多様な生態系を育んでいます。絶滅危惧種であるジュゴンをはじめ、アオウミガメの重要な繁殖地にもなっています。その特徴は以下の通りです。
| 生物群 | 特徴 |
|---|---|
| サンゴ | 世界中のサンゴの主要な属がほぼすべて存在するなど、非常に高い多様性を持つ。 |
| 魚類 | 固有種や絶滅危惧種を多く含み、ナポレオンフィッシュなどの大型魚も見られる。 |
| 海洋哺乳類・爬虫類 | ジュゴンの世界第3位の個体群が生息。アオウミガメの重要な営巣地でもある。 |
世界遺産登録
2008年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。6つの海洋クラスターから構成されており、以下の基準が評価されています。
- 登録基準 (vii): 広大なラグーン内に広がる多様なサンゴ礁の景観が、ひときわ優れた自然の美しさを持つこと。
- 登録基準 (ix): サンゴ礁の進化の過程を示す典型例であり、沿岸から外洋までの生態系の連続性が見られること。
- 登録基準 (x): ジュゴンやウミガメなど多くの絶滅危惧種が生息し、生物多様性の保全上きわめて重要な場所であること。