概要
カミ遺跡は、ジンバブエ南西部に位置する石造都市の遺跡群です。15世紀半ばに大ジンバブエ遺跡が放棄された後、トゥルワ王国の首都として17世紀頃まで繁栄しました。建築様式や出土品から、大ジンバブエとの文化的連続性が見られる一方、独自の発展も遂げたことがわかります。1986年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺跡の特徴
カミ遺跡は、丘の斜面を利用して築かれたテラス状の石壁(壇)が特徴です。モルタルを使わずに精巧に積まれた石壁は、住居や儀式の場を区分していました。王の住居は丘の最高部にあり、一般住民の住居は低い場所に位置していたと考えられています。遺跡からは、ヨーロッパや中国からもたらされた陶磁器なども発見されており、当時の活発な交易活動を物語っています。
世界遺産登録基準
- (iii) 消失した文明の存在を証明する、類いまれな証拠であること。
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術の集合体、または景観の顕著な見本であること。
主な遺構
| 遺構 | 特徴 |
|---|---|
| 石造りのテラスと城壁 | 高度な石積技術で作られ、居住区を形成している。 |
| 王の居住区 | 丘の頂上に位置し、支配者の権威を示している。 |
| 十字架の遺構 | ポルトガルの宣教師との接触を示す珍しい遺構。 |