開平の望楼群と村落とは
開平の望楼群と村落は、中国広東省開平市に点在する「ディアオロウ(碉楼)」と呼ばれる高層の楼閣建築群です。20世紀初頭、海外で財を成した華僑たちが、故郷に残した家族を盗賊などから守るために建設しました。中国の伝統的な建築様式に、バロックやゴシックなど西洋の要素が大胆に取り入れられているのが特徴で、2007年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) 海外の華僑たちが持ち帰った西洋の建築様式と、中国の伝統的な農村建築が融合した、他に類を見ない文化的景観である点。
- (iii) 19世紀末から20世紀初頭にかけての華僑たちの歴史や、地域の社会経済状況を物語る顕著な証拠である点。
- (iv) 防衛と居住を兼ねたディアオロウという独特な建築形態が、地域の特定の時代における文化的伝統を反映している点。
主な望楼と村落
開平には約1800棟のディアオロウが現存しており、特に保存状態の良い村落が観光地として公開されています。
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| 立園(リーユエン) | 華僑の実業家が建てた、中国の伝統庭園と西洋風の別荘、そしてディアオロウが一体となった豪華な庭園。 |
| 馬降龍村落群(バージアンロン) | 竹林と川に囲まれた美しい景観の中に、13棟のディアオロウが点在する村落群。自然と建築が見事に調和しています。 |
| 自力村村落群(ズーリー) | 水田地帯にディアオロウが林立する、開平を代表する景観の一つ。特に「銘石楼」は映画のロケ地としても有名です。 |
| 瑞石楼(ルイシーロウ) | 「開平一のディアオロウ」と称される、高さ9階建ての壮麗な建築物。ビザンティン様式のドーム屋根が特徴です。 |