モザンビーク島とは
モザンビーク島は、モザンビーク北部の沖合に浮かぶ歴史的な島で、1991年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。かつてアフリカ東海岸におけるポルトガルの重要な交易拠点であり、植民地時代の首都として栄えました。島全体が要塞や教会、植民地様式の建築物で構成されており、大航海時代からの歴史を物語っています。
世界遺産登録基準
- (iv) ポルトガルの航海者たちが喜望峰経由でインドへ向かうルート上に築いた要塞や町の建築様式を示す、傑出した見本である。
- (vi) ポルトガルと地元文化の交流を物語る多くの歴史的出来事や、文化的・宗教的伝統と密接に関連している。
遺産の概要と価値
モザンビーク島は、16世紀初頭にヴァスコ・ダ・ガマが到達して以来、約400年間にわたりポルトガルの海上交易網の要として機能しました。その戦略的な重要性から、島には堅固なサン・セバスチャン要塞が築かれました。島の町は、石と石灰で築かれた「石の町」と、マクティと呼ばれる藁葺き屋根の伝統的な家々が並ぶ「マクティの町」の二つの地区で構成されています。この構造は、ヨーロッパの植民者と地元のアフリカ文化が共存・融合してきた歴史を明確に示しています。建築様式には、ポルトガルの影響に加え、アラブやインドの要素も見られ、多様な文化が交錯したこの島のユニークな歴史を体現しています。
主要な建造物
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| サン・セバスチャン要塞 | 16世紀に建設された、現存するアフリカ最古級のヨーロッパ式要塞。 |
| サン・パウロ宮殿 | 旧総督邸。現在は博物館として利用されている。 |
| ノッサ・セニョーラ・デ・バルアルテ礼拝堂 | 要塞内にあり、ゴシック様式の一種であるマヌエル様式が見られる。 |