WORLD HERITAGE
湖北神農架
中国中部・湖北省の山地に残る森林生態系の自然遺産です。大きな標高差と東西の植物相が交わる位置により、豊かな温帯植物と希少動物を育み、生態系の継続的な変化を示します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 2016年
- 登録基準
- (9)・(10)
- 種類
- 自然遺産
- 国・地域
- 中国
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
湖北神農架とは
湖北神農架は、中国・湖北省の山地にある二つの構成地域からなる自然遺産です。西側の神農頂・巴東と、東側の老君山で構成され、2016年に基準(ix)(x)で登録されました。2021年に軽微な範囲変更があり、UNESCOの登録欄では面積79,624ヘクタール、緩衝地帯45,390ヘクタールとされています。
標高と気候がつくる森林の連なり
中国東部の平野・丘陵から中部の山地へ移る位置にあり、亜熱帯から暖温帯へ気候が変わる場所でもあります。UNESCOは11種類の植生と、常緑広葉樹林から常緑・落葉混交林、落葉広葉樹林、針広混交林、針葉樹林、低木・草地へ続く標高方向の植生帯を説明しています。
基準(ix)は、中国中部に残る広大な原生林、この植生の連続性、固有植物の集中とそれを支える生態系を評価します。単に樹木の多い場所ではなく、異なる気候条件と植生が同じ山地でつながっていることに価値があります。
植物の避難地と希少動物
地形と気候により氷河作用の影響が比較的小さかった神農架は、希少種や固有種の避難地となりました。基準(x)はこの生息地の重要性を評価しています。UNESCOの価値説明には、維管束植物3,767種という記録と、キンシコウ、ウンピョウ、ヒョウ、ツキノワグマ、チュウゴクオオサンショウウオなどが示されています。
植物学史でも重要な地域で、19~20世紀の国際的な植物採集調査の対象となりました。UNESCOは、1884~1889年にこの地域から500を超える新種が記録されたこと、多くの種の基準となる産地であることを挙げています。
調査と栽培を支える人々
神農架の公園当局による2025年2月の紹介では、生物多様性保全研究室の温室で、担当者がBerchemiella wilsoniiの生育を観察し、周囲の雑草や枯れ葉を取り除く作業が記されています。野生の森林を守ることに加え、希少植物の栽培と日々の観察も保全研究の一部となっています。
森林の分断と地域の土地利用
UNESCOは、国道209号とその沿線の回廊が野生動物の移動や生態的な連結を妨げる点を課題に挙げています。動物の通路、小さな生息地をつなぐ配置、道路横断施設、柵の除去など、連結性を確保する方法が求められています。
緩衝地帯では、茶の栽培を含む土地利用、観光施設や交通の発達を監視し、保全と地域の生活を結び付ける管理が重要です。神農架の価値は、珍しい動物の姿だけでなく、植物群落の広がりと動物が移動できる環境によって支えられています。
世界遺産検定で覚えるポイント
中国・湖北省、2016年登録、自然遺産、基準(ix)(x)が基本です。神農頂・巴東と老君山の二地域が、標高に沿う多様な植生と希少・固有種の生息地を保護しています。2021年の範囲変更後の登録面積は79,624ヘクタールです。
参考文献
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EXAM ESSENTIALS
世界遺産検定で押さえるポイント
- 中国・湖北省、2016年登録、自然遺産、基準(ix)(x)が基本です。
- 神農頂・巴東と老君山の二地域が、標高に沿う多様な植生と希少・固有種の生息地を保護しています。
- 2021年の範囲変更後の登録面積は79,624ヘクタールです。
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