コロニア・デル・サクラメントの歴史地区とは
コロニア・デル・サクラメントは、ウルグアイ南西部、ラ・プラタ川に面した歴史的な港町です。1680年にポルトガルによって建設された後、約100年間にわたりポルトガルとスペインの間で領有権が争われました。その結果、この町の歴史地区には、ポルトガルの不規則な街路と素朴な建築、そしてスペインの整然とした格子状の街路と華やかな建築という、二つの異なる植民地様式が融合した独特の景観が生まれました。この類まれな都市景観が評価され、1995年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (iv) ポルトガルとスペインという二つの植民地大国の都市計画と建築様式が融合し、保存されている顕著な例です。その街並みは、この地域の歴史を雄弁に物語っています。
遺産の価値
ポルトガルとスペインの文化融合
コロニア・デル・サクラメントの最大の価値は、ヨーロッパの二つの異なる文化が一つの都市に共存し、独特の雰囲気を醸し出している点にあります。ポルトガル風の石畳の小道と漆喰塗りの家々、スペイン風の広場とタイル張りの建物が隣接し、歩くだけで歴史の変遷を感じることができます。
良好に保存された植民都市
紛争の歴史にもかかわらず、歴史地区は驚くほど良好な状態で保存されています。17世紀から18世紀にかけての建物や街路が当時の面影を色濃く残しており、ラ・プラタ川の穏やかな風景と相まって、まるで時間が止まったかのような空間を創り出しています。
主な見どころ
歴史地区は歩いて散策するのに最適な広さです。町のシンボルである灯台からは美しい街並みとラ・プラタ川を一望できます。また、石畳と古風な家々が続く「ため息の通り(Calle de los Suspiros)」は、コロニアで最も絵になる場所として知られています。
建造物・見どころ | 特徴 |
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灯台 (Faro) | 19世紀の灯台。頂上から歴史地区と川のパノラマが楽しめる。 |
ため息の通り (Calle de los Suspiros) | ポルトガル統治時代の面影を最も色濃く残す、石畳の美しい小道。 |
サクラメント教会 (Basílica del Santísimo Sacramento) | ポルトガル時代に創建され、何度も再建された町の中心的な教会。 |
ポルトガル博物館 | ポルトガル統治時代の調度品や地図などを展示する18世紀の建物。 |
観光と保全
対岸のアルゼンチン・ブエノスアイレスから日帰りで訪れる観光客も多く、ウルグアイ有数の観光地となっています。観光客の増加に伴う開発圧力から歴史的景観を守るため、厳格な建築規制や修復ガイドラインが設けられています。