歴史都市トロギールとは
歴史都市トロギールは、クロアチアのダルマチア地方に位置する小さな島の都市で、1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。トロギールは、その保存状態の良い中世の都市構造と建築物で知られ、古代ギリシャやローマ時代からの歴史が色濃く残っています。
トロギールは、古代ギリシャ人によって紀元前3世紀に設立され、その後ローマ帝国、ビザンツ帝国、ヴェネツィア共和国など様々な支配者の下で発展しました。これにより、多様な建築様式と文化が融合した独特の都市景観が形成されました。
登録基準の具体的内容
登録基準(ⅱ)
トロギールは、「文化の交流を示す顕著な例」として評価されています。特に、古代ギリシャ、ローマ、ヴェネツィアの影響が見られる建築と都市計画が注目されます。
登録基準(ⅳ)
また、「建築様式や技術の重要な例」としても認められています。トロギールの街並みは、中世の都市計画の典型であり、その保存状態の良さが評価されています。
遺産の価値
歴史都市トロギールの価値は以下の点にあります:
建築的価値
トロギールには、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックなど多様な建築様式が共存しています。これらの建築物は、都市の歴史と文化の多様性を象徴しています。
歴史的価値
トロギールの歴史は、古代から中世、近世に至るまでの多くの歴史的出来事を反映しています。都市の発展とともに、多くの文化や技術が交差し、独自の文化遺産を形成しました。
遺産の概要
歴史都市トロギールの特徴は次の通りです:
地理と気候
トロギールは、アドリア海沿岸の温暖な地中海性気候の地域に位置し、美しい海岸線と共に古い街並みを楽しむことができます。
主要な建造物
トロギールには、以下のような重要な建造物があります:
- 聖ロヴロ大聖堂:トロギールの中心に位置し、13世紀に建てられたロマネスク様式の大聖堂です。
- カメリェンゴ要塞:ヴェネツィア共和国時代に建てられた要塞で、港を見下ろす位置にあります。
- 市庁舎:15世紀に建てられたゴシック様式の建物で、現在も市の行政の中心として使用されています。
- ドミニコ会修道院:14世紀に設立され、多くの貴重な宗教芸術品が収蔵されています。
観光と保全
トロギールは、その保存状態の良い中世の街並みと多様な建築様式から、多くの観光客を引き付けています。観光の増加による影響を最小限に抑えるため、都市の保全活動が積極的に行われています。地元の行政は、歴史的遺産の保護と持続可能な観光の両立を目指しています。
表:トロギールの主要な建造物
建造物 | 特徴 |
---|---|
聖ロヴロ大聖堂 | 13世紀に建てられたロマネスク様式の大聖堂 |
カメリェンゴ要塞 | ヴェネツィア共和国時代に建てられた要塞 |
市庁舎 | 15世紀に建てられたゴシック様式の建物 |
ドミニコ会修道院 | 14世紀に設立された修道院 |
トロギールは、その歴史的価値と美しい建築から、訪れる人々に強い印象を与えます。持続可能な観光と保全活動が両立するこの地域は、未来に向けてその価値を守り続けるべき重要な遺産です。
参考文献
「古都トロギール」.UNESCO.https://whc.unesco.org/ja/list/810