サン・ルイスの歴史地区とは
サン・ルイスの歴史地区は、ブラジル北東部マラニョン州の州都サン・ルイスの中心部に広がる、植民地時代の街並みです。17世紀にフランス人によって建設された後、オランダ、そしてポルトガルによる支配を受け、その複雑な歴史を反映した独自の都市景観が形成されました。特に、建物のファサードを覆う「アズレージョ」と呼ばれるポルトガル由来の装飾タイルが特徴的です。1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
この歴史地区の価値は、保存状態の良い格子状の都市計画と、アズレージョで彩られた美しい植民地建築群にあります。
- アズレージョの街並み: 多くの建物の外壁が、強い日差しと湿気から建物を守るために、色とりどりのアズレージョで覆われています。このタイル張りの景観は、サン・ルイスならではの美しさを生み出しています。
- 植民地都市の典型: 17世紀のフランス人による都市計画を基礎に、ポルトガル人が発展させた街並みは、後期植民地時代の都市の姿を非常によく保存しています。
世界遺産登録基準
- 登録基準(iii): 17世紀後半のポルトガル植民地都市の生活様式を伝える、他に類を見ない証拠であることが評価されました。
- 登録基準(iv): 後期植民地時代のイベリア半島の都市計画と建築様式を、赤道直下の環境に適応させた顕著な例であることが評価されました。
- 登録基準(v): 保存状態が良く、均質な植民地時代の都市構造が評価されました。
主な建造物
歴史地区には、アズレージョで飾られた美しい邸宅や、歴史的な宮殿、劇場などが数多く残されています。
建造物名 | 特徴 |
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レões宮殿(ライオン宮殿) | かつてのフランスの要塞跡に建てられた州政府庁舎。壮麗な建築が魅力です。 |
カサ・ド・マラニョン | アズレージョで覆われた美しい邸宅で、現在は博物館として利用されています。 |
アルトゥール・アゼヴェード劇場 | 19世紀に建てられた新古典主義様式の美しい劇場です。 |
参考文献: UNESCO World Heritage Centre. “Historic Centre of São Luís”. https://whc.unesco.org/en/list/821