概要
フィレンツェ歴史地区は、イタリアのトスカーナ州の州都であり、「ルネサンス発祥の地」として知られています。1982年に世界遺産に登録されました。メディチ家の庇護のもと、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ボッティチェリといった偉大な芸術家たちが活動し、数多くの芸術作品や建築物を生み出しました。「屋根のない美術館」とも称され、街の至る所でルネサンスの息吹を感じることができます。
主な見どころ
歴史地区には、世界的に有名な美術館や歴史的建造物が集中しています。
- サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ):ブルネレスキが設計した巨大なクーポラ(円蓋)が象徴的なフィレンツェのシンボル。ジョットの鐘楼やサン・ジョヴァンニ洗礼堂と共に壮大な景観を形成しています。
- ウフィツィ美術館:メディチ家のコレクションを基にした、ルネサンス絵画の世界最高峰の美術館。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「春」などが収蔵されています。
- ヴェッキオ橋:アルノ川に架かるフィレンツェ最古の橋。橋の上には宝飾店が立ち並び、独特の景観を見せています。
- ヴェッキオ宮殿:かつてのフィレンツェ共和国の政庁舎。現在も市庁舎として使われており、内部は美術館として公開されています。
世界遺産登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、世界遺産に登録されました。
- (i) フィレンツェは、ブルネレスキ、ドナテッロ、マザッチョ、ミケランジェロなど、ルネサンスの巨匠たちによる傑作が集中する、他に類を見ない芸術の宝庫である。
- (ii) 15世紀から16世紀にかけて、フィレンツェは建築と記念碑的芸術の分野でヨーロッパの主要な中心地となり、大きな影響を与えた。
- (iii) フィレンツェの遺産は、ルネサンス期に商業都市を支配した中産階級の力の証拠である。
- (iv) フィレンツェの歴史地区は、14世紀から17世紀にかけての商業、経済、金融、政治、文化の中心都市の優れた例である。
- (vi) フィレンツェは、ルネサンスのヒューマニズム思想と密接に関連している。