概要
アガデス歴史地区は、ニジェール共和国北部、サハラ砂漠の南縁に位置する都市アガデスの旧市街です。15世紀から16世紀にかけて、トゥアレグ族のスルタン国の中心地として、またサハラ越えの隊商交易の拠点として繁栄しました。現在も、泥レンガで造られた伝統的な家屋や宮殿、そして都市の象徴である高さ27mのミナレット(尖塔)を持つモスクなどが残り、かつての繁栄を伝えています。このような土着の建築様式と交易によってもたらされた文化が融合した独特の都市景観が評価され、2013年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) アガデスは、隊商交易を通じて様々な文化が交流する十字路であり、建築様式や装飾においてその影響が顕著に見られる。
- (iii) 数世紀にわたり発展してきたスルタン国の首都として、砂漠地帯における都市居住の伝統を伝える優れた見本である。
主な歴史的建造物
アガデス歴史地区には、トゥアレグ族の文化とサハラ交易の歴史を象徴する建造物が数多く残されています。
建造物名 | 特徴 |
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アガデス・モスク | 都市の象徴である高さ27mのミナレットが特徴的な、泥レンガ造りのモスク。 |
歴史的住居群 | 伝統的なトゥアレグの建築様式を今に伝える泥レンガ造りの家屋群。 |
スルタン宮殿 | かつての政治の中心地であり、歴史的な価値を持つ建造物。 |