水銀関連遺産:アルマデンとイドリアとは
スペインのアルマデンとスロベニアのイドリアにある、世界最大級の2つの水銀鉱山からなる世界遺産です。古代ローマ時代から20世紀まで採掘が続けられ、特に近世以降、アメリカ大陸の銀山で銀を精錬する際に不可欠な水銀を供給し、ヨーロッパとアメリカ大陸間の交易に重要な役割を果たしました。2012年に世界文化遺産に登録されました。
遺産の概要
この遺産は、長期間にわたる水銀採掘に関わる技術的・文化的交流を物語るものです。鉱山だけでなく、関連するインフラ、労働者のための街、宗教施設などが含まれています。
- アルマデン(スペイン): 紀元前3世紀から採掘の歴史があり、王立鉱山学校や水銀を運んだ「王の道」など、鉱山都市としての景観が残っています。
- イドリア(スロベニア): 1490年に水銀鉱脈が発見され、ヨーロッパ有数の鉱山に発展しました。水銀精錬技術の革新に貢献し、鉱山労働者のための住宅や世界最古級の鉱山劇場が現存します。
登録基準
- (ii) 長期間にわたり、ヨーロッパとアメリカ大陸の間で、鉱業技術や文化、交易の重要な交流があったことを示しています。
- (iv) 水銀採掘という特殊な産業活動に関連する、鉱山、都市、技術的建造物群の顕著な見本です。