バッファロー狩りの断崖の写真

バッファロー狩りの断崖

ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプとは

ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプは、カナダのアルバータ州の平原に位置する、先住民が約6000年間にわたりアメリカバイソン(バッファロー)の狩猟を行ってきた巨大な崖です。「バッファロー・ジャンプ」とは、バイソンの群れを巧みに崖へと追い込み、転落させて捕獲する大規模な共同狩猟法を指します。

世界遺産登録の経緯

この遺跡は、北米平原の先住民文化における狩猟技術、社会組織、そして精神世界を理解する上で非常に重要な物証です。保存状態が極めて良好であること、そして長期間にわたり利用され続けた歴史的価値が評価され、1981年に登録基準(vi)を満たし世界文化遺産に登録されました。

遺産の価値

この遺産は、先住民の伝統的な生活様式を物語る貴重な証拠です。

  • 高度な狩猟技術の証拠:地形を熟知し、動物の習性を利用した、組織的で洗練された狩猟技術の存在を示しています。
  • 長期的な文化の記録:崖の下には、落下の衝撃で砕かれたバイソンの骨が10メートル以上の厚さで堆積しており、数千年にわたる狩猟の歴史を物語っています。

遺跡の構成

この遺跡は、狩猟プロセス全体を網羅する複数の要素で構成されています。

構成要素 説明
集積盆地と追込路 バイソンの群れを集め、石積みの目印(ドライブレーン)に沿って崖へと誘導する広大なエリア。
断崖 高さ約18メートルの砂岩の崖。ここからバイソンを突き落とした。
屠殺・解体処理場 崖の下に広がるエリア。捕獲したバイソンを解体し、肉や皮などを加工した。

ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプは、人類と自然との関わり、そして先住民の知恵と生活様式を今に伝える、力強い歴史の証人です。

バッファロー狩りの断崖の基本情報

                         
国名 カナダ
世界遺産の名称 バッファロー狩りの断崖
遺産の種類 文化遺産
登録年 1981
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅵ)
備考
範囲(ヘクタール)3626
地図

関連する世界遺産

  1. ポントカサステ水路橋と運河の写真

    ポントカサステ水路橋と運河

  2. シニベクの聖ヤコブ大聖堂の写真

    シニベクの聖ヤコブ大聖堂

  3. リヨンの歴史地区の写真

    リヨンの歴史地区

  4. リヴィウ歴史地区の写真

    リヴィウ歴史地区

  5. アル・ズバラ考古遺跡の写真

    アル・ズバラ考古遺跡

  6. ライン渓谷中流上部の写真

    ライン渓谷中流上部

  7. クラクフの歴史地区の写真

    クラクフの歴史地区

  8. マドリードのエル・エスコリアール修道院と王立施設の写真

    マドリードのエル・エスコリアール修道院と王立施設

  9. ジョギンズの化石崖群の写真

    ジョギンズの化石崖群