ラホール城とシャーラマール庭園
パキスタンのラホールに位置する「ラホール城とシャーラマール庭園」は、1981年に世界文化遺産に登録された、ムガル帝国時代の建築と造園技術の傑作です。11世紀に起源を持つラホール城と、17世紀に造営されたシャーラマール庭園は、それぞれ異なる時期に建設されましたが、ともにムガル文化の黄金期を象徴する壮麗な遺産です。
世界遺産登録基準
- 登録基準 (i): 人類の創造的才能を表現する傑作。ムガル建築と庭園設計の美学が最高潮に達した作品です。
- 登録基準 (ii): 建築や技術、記念碑芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。ペルシャ、中央アジア、インドの芸術様式が融合しています。
- 登録基準 (iii): 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。ムガル帝国の栄華と生活様式を今に伝えています。
遺産の概要と価値
ラホール城は、アクバル帝からシャー・ジャハーン帝の時代にかけて、歴代皇帝によって増改築が繰り返された巨大な城塞です。城内には「鏡の宮殿」として知られるシーシュ・マハルなど、壮麗な宮殿や謁見の間が点在します。一方、シャーラマール庭園は、シャー・ジャハーン帝が造営したペルシャ式庭園の傑作で、段状に構成された敷地に水路や噴水、大理石のパビリオンが巧みに配置されています。これらは、ムガル帝国の絶大な権力と洗練された文化を体現する貴重な遺産です。
主な構成資産
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| ラホール城 | シーシュ・マハル(鏡の宮殿)や真珠モスクなど豪華絢爛な建造物群。 |
| シャーラマール庭園 | 「喜びの庭」を意味するペルシャ式庭園。3段のテラスと400以上の噴水を持つ。 |