ドゥッガの考古遺跡とは
ドゥッガ(またはトゥッガ)は、チュニジア北部の丘陵地帯に広がる古代都市遺跡で、1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。紀元前6世紀に先住民であるヌミディア人の都市として始まり、後にローマ帝国の属州アフリカにおける重要な都市として発展しました。ヌミディア文化とローマ文化が融合した街並みが非常に良好な状態で保存されており、「アフリカにおけるローマ化されたヌミディア人都市の最も保存状態の良い例」と評されています。
世界遺産登録基準
- (ii) ドゥッガの遺跡は、先住民の文化とローマからの影響が見事に融合した建築様式や都市計画を示しており、文化交流の顕著な証拠です。
- (iii) 70ヘクタールに及ぶ広大な遺跡に残る多数の公共建築、住居、神殿は、数世紀にわたる古代都市の生活様式と文明を今日に伝える貴重な証言です。
主な遺跡
ドゥッガには、ローマ時代の壮麗な建築物が数多く残されています。
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| カピトリウム(ユピテル神殿) | ローマの三主神(ユピテル、ユノ、ミネルウァ)を祀る神殿。ローマ属州に残る同種の神殿の中でも保存状態が極めて良い。 |
| 劇場 | 紀元後168年に建てられた収容人数3,500人のローマ劇場。現在でも夏のフェスティバルなどで使用されている。 |
| リキニウスの浴場 | 3世紀に建てられた公共浴場。更衣室、冷浴室、温浴室などの遺構が明瞭に残っている。 |