ディルムンの墳墓群とは
ディルムンの墳墓群は、ペルシア湾に浮かぶ島国バーレーンにある、紀元前2200年から紀元前1750年頃に築かれた古代の集団墓地です。当時この地域で栄えたディルムン文明のもので、数万基に及ぶ墳丘墓が特徴です。その規模と保存状態の良さが評価され、2019年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産としての価値
この墳墓群は、メソポタミアとインダスを結ぶ海洋交易の中継地として繁栄したディルムン文明の、社会や文化、埋葬儀礼を伝える他に類を見ない証拠です。
- 登録基準(iii): これほど大規模で密集した先史時代の墓地は世界でも珍しく、ディルムン文明が持っていた独自の死生観や社会的伝統を強力に物語っています。
- 登録基準(iv): 墳墓の大きさや副葬品の違いは、当時の社会階層を反映しています。初期の簡素なものから、後期の精巧なものまで、墓の様式が変化していく様子は、ディルムン社会の発展段階を示す重要な指標となります。
墳墓は石で内部に墓室を造り、その上を土で覆った墳丘墓(マウンド)で、その形状から「蜂の巣」とも呼ばれます。遺跡は21の考古地区に分かれており、特にアーリ市周辺の墓地は最も保存状態が良いことで知られています。