概要
ヴェローナ市街は、イタリア北東部ヴェネト州に位置し、2000年に世界遺産に登録されました。古代ローマ時代から2000年以上にわたり、中断することなく発展を続けてきた都市であり、各時代の芸術や建築様式が調和して残されています。特に、古代ローマの円形闘技場や、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台として世界的に有名です。
主な見どころ
市内には、多様な時代の歴史を物語る建造物が点在しています。
- アレーナ・ディ・ヴェローナ:1世紀に建設された古代ローマの円形闘技場。現在も夏には野外オペラの会場として使用され、多くの観客を魅了しています。
- ジュリエットの家:『ロミオとジュリエット』のヒロイン、ジュリエットのモデルとされるカプレーティ家の邸宅。有名なバルコニーがあり、世界中から恋人たちが訪れます。
- エルベ広場:古代ローマ時代の公共広場(フォルム)が起源。周囲には中世の塔やフレスコ画で飾られた建物が並び、市場が開かれ活気に満ちています。
- スカリジェロ橋とカステルヴェッキオ:14世紀にスカラ家の城塞として建てられたカステルヴェッキオと、それに付属する要塞化された橋。中世の軍事建築の傑作です。
世界遺産登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、世界遺産に登録されました。
- (ii) ヴェローナは、2000年以上にわたる歴史の中で、ヨーロッパの芸術的・文化的潮流を絶えず取り入れ、独自の価値を創造してきた。
- (iv) ヴェローナは、古代ローマから中世、ルネサンスに至るまでの各時代の要塞都市の優れた見本であり、ヨーロッパの軍事史における概念を段階的に示している。