ブルガールの歴史的考古学的遺跡群とは
ブルガールの歴史的考古学的遺跡群は、ロシア連邦タタールスタン共和国のヴォルガ川中流域に位置する遺跡群です。7世紀から15世紀にかけて存在した国家「ヴォルガ・ブルガール」の初期の首都であり、その後モンゴル帝国のジョチ・ウルスの重要な都市として栄えました。2014年に世界文化遺産に登録されました。
遺産の概要
所在地 | ロシア連邦、タタールスタン共和国 |
登録年 | 2014年 |
遺産種別 | 文化遺産 |
登録基準 | (ii), (vi) |
主な価値
この遺跡群は、テュルク系、フィン・ウゴル系、スラブ系など多様な民族の文化が交流し、融合した歴史を物語っています。また、922年にヴォルガ・ブルガールがイスラム教を国教として受容した地であり、タタール人のイスラム信仰の中心地として現在も巡礼地となっています。
- 登録基準 (ii) 文化交流: ユーラシア北部の様々な文化、伝統、建築様式が長期間にわたり交流したことを示す物的な証拠です。イスラム、テュルク、東欧の要素が融合した独自の文化が発展しました。
- 登録基準 (vi) 歴史的出来事との関連: ヴォルガ・ブルガールのイスラム教受容という歴史的出来事と強く結びついています。この出来事は、ユーラシア内陸部におけるイスラム文明の拡大と、タタール人の文化的・宗教的アイデンティティ形成に大きな影響を与えました。