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ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区

ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区とは

ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区(Belize Barrier Reef Reserve System)は、ベリーズ沖のカリブ海に広がるサンゴ礁群です。オーストラリアのグレート・バリア・リーフに次ぐ世界で2番目の規模を誇るバリアリーフで、約300kmにわたって連なっています。1996年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。この遺産は7つの海洋保護区から構成されています。

登録基準

  • 基準(vii): ひときわ優れた自然美や美的重要性をもつ、類まれな自然現象や地域。沖合の環礁、数百の砂州(キー)、マングローブ林、沿岸のラグーン、河口などが織りなす景観は、他に類を見ない美しさを誇ります。
  • 基準(ix): 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行中の重要な生態学的・生物学的プロセスを示す顕著な見本。サンゴ礁の発生から環礁へと至る進化の過程を観察できる、典型的な自然のシステムです。
  • 基準(x): 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地。カリブ海マナティー、アメリカワニ、数種類のウミガメなどの絶滅危惧種を含む、非常に多くの海洋生物の生息地として国際的に重要です。

遺産の価値

この遺産の価値は、その圧倒的な生物多様性と、健全なサンゴ礁生態系が維持されている点にあります。

  • 生物多様性: 100種類以上のサンゴ、500種類以上の魚類、そして数多くの無脊椎動物が生息する生物多様性のホットスポットです。まだ多くの種が未発見であると考えられています。
  • 危機に瀕する遺産: 2009年には、沿岸開発やマングローブ林の伐採などによる生態系の悪化が懸念され「危機にさらされている世界遺産(危機遺産)」リストに記載されましたが、ベリーズ政府の保護努力が実を結び、2018年にリストから解除されました。

概要

地理と歴史
中央アメリカ、ベリーズの沿岸に沿って広がっています。このリーフシステムは、バリアリーフ本体だけでなく、グレート・ブルーホールを含む3つの環礁(ターンエフェ環礁、グローバーズリーフ環礁、ライトハウスリーフ環礁)や、多数のサンゴ礁島(キー)から成り立っています。

主要な保護区と見どころ
ダイビングスポットとしても世界的に有名で、特にグレート・ブルーホールはその神秘的な姿で多くのダイバーを魅了します。

保護区・見どころ 特徴
グレート・ブルーホール 直径約300m、深さ約124mの巨大な陥没穴。独特の水中景観で知られるダイビングの聖地です。
ハーフムーン・キー自然記念物 アカアシカツオドリの繁殖地として知られる島。ウミガメの産卵地でもあります。
グローバーズリーフ環礁 ベリーズの環礁の中で最も沖合にあり、非常に高い生物多様性を誇る海洋保護区です。

ベリーズ・バリア・リーフは、カリブ海の海洋生態系の至宝であり、その保全は地球全体の課題として重要です。

参考文献

UNESCO World Heritage Centre. “Belize Barrier Reef Reserve System”. https://whc.unesco.org/en/list/764

ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区の基本情報

                         
国名 ベリーズ
世界遺産の名称 ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区
遺産の種類 自然遺産
登録年 1996
拡張・範囲変更
危機遺産 登録(終了)
危機遺産登録期間 P 2009-2018
登録基準 (ⅶ)(ⅸ)(ⅹ)
備考
範囲(ヘクタール)96300
地図

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