概要
聖地バアルベックは、レバノンのベッカー高原に位置する古代ローマ時代の巨大な神殿遺跡群で、1984年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。紀元前1世紀から紀元3世紀にかけてローマ帝国の宗教中心地として栄え、その壮大な規模と優れた建築技術、保存状態の良さで世界的に知られています。
登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されています。
- (i) ローマ帝国時代の宗教建築の傑作であり、その壮大さと豪華さは他に類を見ない。
- (iv) ローマ建築の様式を最も見事に表現した例の一つであり、その技術は後世の建築に大きな影響を与えた。
歴史と建築
バアルベックの神殿群は、ローマ時代の建築技術の頂点を示すものです。特に、ジュピター神殿の巨大な石柱や、保存状態が極めて良いことで知られるバッカス神殿は、人類の創造性が生んだ傑作と評価されています。これらの神殿は、ローマ帝国の権威と信仰を示す宗教的中心地として重要な役割を果たし、その影響は広範囲に及びました。現在でも、その圧倒的なスケールと芸術性で多くの人々を魅了しています。
主な神殿
| 神殿名 | 特徴 |
|---|---|
| ジュピター神殿 | 高さ約20mの巨大な石柱6本が現存し、かつての壮大な規模を物語る。 |
| バッカス神殿 | ローマ神殿の中でも最も保存状態が良いものの一つで、精緻な彫刻が施されている。 |
| ヴィーナス神殿 | 円形の優美なデザインが特徴的な小型の神殿。 |