概要
キレーネは、リビア北東部の緑豊かな高原に位置する古代ギリシャの植民都市遺跡です。紀元前631年にティーラ島(現在のサントリーニ島)からの移住者によって建設され、ヘレニズム時代からローマ時代にかけて地中海世界有数の大都市として繁栄しました。「アフリカのアテネ」とも称され、哲学や医学の中心地としても知られました。その広大な遺跡群は1982年に世界文化遺産に登録されています。
世界遺産登録基準
キレーネの考古遺跡は、以下の基準を満たしたことが評価されています。
- (ii) ギリシャとローマの文化が融合し、リビア土着の文化とも影響し合った独特の都市文明を示しています。
- (iii) 1000年以上にわたり、ギリシャ文明の宗教的・文化的伝統を伝える重要な証拠です。
- (vi) アポロン信仰の中心地であり、プラトンなど多くの古代思想家と関連を持つ、歴史上重要な場所です。
主な見どころ
ギリシャ様式とローマ様式の壮大な建造物が数多く残されています。
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| アポロン神殿 | 都市の守護神アポロンを祀った神殿。ドーリア式の柱が立ち並ぶ。 |
| ゼウス神殿 | ギリシャ世界のゼウス神殿としては最大級の規模を誇る。ローマ時代に再建された。 |
| アゴラとフォルム | ギリシャ時代の公共広場(アゴラ)と、その上に造られたローマ時代の公共広場(フォルム)。 |
| ネクロポリス | 都市の郊外に広がる広大な墓地。様々な形式の墓が1000基以上残る。 |