シリア北部の古代集落の写真

シリア北部の古代集落

シリア北部の古代集落群の概要

シリア北西部のアレッポとイドリブの間に広がる石灰岩台地には、古代末期からビザンツ時代(1世紀~7世紀)にかけて栄えた約40の集落遺跡が点在しています。これらは「デッド・シティーズ(死の都市群)」とも呼ばれ、住民が去った後もその石造りの建築物が見事な保存状態で残されています。農村地域の生活様式やキリスト教への移行期の様子を伝える貴重な遺産として、2011年に世界文化遺産に登録されました。

主な集落遺跡と特徴

集落群には、住居、教会、異教の神殿、共同浴場、貯水槽などが含まれ、当時の人々の暮らしを垣間見ることができます。

  • セルジッラ: 最も保存状態の良い集落の一つ。2階建ての住居跡や、集会所、共同浴場、教会などが残っています。
  • アル・バーラ: 5つの教会、3つの修道院、そして精巧な装飾が施されたピラミッド型の霊廟が特徴です。
  • 聖シメオン教会(カラート・サマーン): 集落群の中でも特に有名な巡礼地。柱の上で37年間過ごしたという聖シメオンを記念して5世紀に建てられた巨大な教会堂跡です。

世界遺産登録基準

この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されました。

  • (iii) 文明の証拠: 古代末期からビザンツ時代にかけての農村生活の文化的伝統を伝える、他に類を見ない証拠です。
  • (iv) 建築様式: 住居、異教の神殿、教会、貯水槽など、当時の技術を反映した建築群の顕著な例です。
  • (v) 土地利用: 数世紀にわたる人間の営みと自然との相互作用を示す、伝統的な集落の傑出した見本です。

保全状況

2011年に世界遺産に登録された直後からシリア内戦が激化し、多くの遺跡が戦闘による直接的な被害や略奪に晒されています。2013年には危機遺産リストに登録され、その保護が国際的な課題となっています。

遺跡 特徴
セルジッラ 共同浴場や集会所が残り、当時の共同体の様子がうかがえる。
アル・バーラ 精巧な装飾が施されたピラミッド型の霊廟が特徴的。
聖シメオン教会 柱上修行者シメオンを記念した、初期キリスト教の重要な巡礼地。

シリア北部の古代集落の基本情報

                         
国名 シリア・アラブ共和国
世界遺産の名称 シリア北部の古代集落
遺産の種類 文化遺産
登録年 2011
拡張・範囲変更
危機遺産 登録(継続)
危機遺産登録期間 Y 2013
登録基準 (ⅲ)(ⅳ)(ⅴ)
備考
範囲(ヘクタール)12290
地図

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