カルハットの都市遺跡とは
カルハットの都市遺跡は、オマーン北東部の海岸に位置する古代都市の遺跡で、2018年に世界文化遺産に登録されました。11世紀から15世紀にかけて、ホルムズ王国の主要港としてインド洋交易の拠点として繁栄しました。アラビア半島、東アフリカ、インド、中国、東南アジアを結ぶ海上交易ネットワークの重要な結節点でした。
世界遺産登録基準
- (ii) 文化交流の重要な証拠。交易を通じて多様な文化が交流し、建築様式や都市の構造にその影響が見られます。
- (iii) 消滅した文明の証拠。かつて繁栄した中世アラビアの港湾都市の姿を今に伝える貴重な考古学的遺跡です。
遺産の概要
カルハットは、堅固な城壁に囲まれた港湾都市でした。遺跡内には、偉大な霊廟である「ビビ・マリヤムの霊廟」のほか、モスク、住居、商店跡などが残っており、当時の都市の構造や人々の生活をうかがい知ることができます。16世紀初頭にポルトガル軍の攻撃を受けて破壊され、その後放棄されましたが、そのおかげで中世の都市の痕跡が良好な状態で保存されています。
主要な遺跡
遺跡名 | 特徴 |
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ビビ・マリヤムの霊廟 | かつては美しいタイルで装飾されていた霊廟。カルハットのランドマーク的存在。 |
都市の城壁 | 外敵の侵入を防ぐために築かれた堅固な壁。 |
住居・商業地区跡 | 当時の住民の生活や交易活動の様子を物語る遺構群。 |
参考文献
「Ancient City of Qalhat」. UNESCO. https://whc.unesco.org/ja/list/1537