ポロンナルワの古代都市とは
スリランカ中北部に位置する、11世紀から13世紀にかけてシンハラ王朝の首都として栄えた古代都市です。アヌラーダプラに次ぐ第2の都であり、当時の優れた都市計画と、仏教芸術の傑作が数多く残されていることから、1982年に世界文化遺産に登録されました。
遺産の概要
ポロンナルワは、特にパラークラマバーフ1世(在位1153-1186年)の治世に黄金時代を迎えました。王は巨大な貯水池「パラークラマ・サムドラ(パラークラマの海)」を建設し、高度な灌漑システムによって都市の繁栄を支えました。遺跡はコンパクトにまとまっており、当時の王宮や仏教寺院の跡を見ることができます。
主な見どころ
- クワドラングル(方形の中庭): 円形の仏塔「ワタダーゲ」をはじめ、重要な宗教建築が集中する聖域です。
- ガル・ヴィハーラ: 巨大な花崗岩の岩壁に、座像、立像、涅槃像など4体の仏陀像が彫り込まれた石窟寺院で、スリランカ仏教美術の最高傑作とされます。
- パラークラマバーフ1世の宮殿跡: かつては7階建てであったと伝えられる壮大な王宮の遺構です。
登録基準
- (i) ガル・ヴィハーラに代表される仏教彫刻は、人類の創造的才能の傑作です。
- (ⅲ) 南インドのチョーラ朝の影響を受けつつ独自の発展を遂げた、シンハラ文化の優れた証拠です。
- (vi) スリランカの仏教徒にとって重要な信仰の中心地であり、歴史的・宗教的に顕著な普遍的価値を持っています。