アル・ヒジルの考古遺跡(マダイン・サレハ)の写真

アル・ヒジルの考古遺跡(マダイン・サレハ)

アル・ヒジルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)とは

アル・ヒジルの考古遺跡(通称マダイン・サーレハ)は、サウジアラビア北西部に位置し、2008年に同国で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。ここは、ヨルダンのペトラ遺跡を築いたことで知られる古代ナバテア人が、紀元前1世紀から紀元後1世紀にかけて繁栄させた王国の南の拠点都市です。

砂岩の巨岩をくり抜いて造られた111基もの壮大な墓が点在しており、ナバテア人の高度な建築技術と、ギリシャやローマ、エジプトなど多様な文化の影響を受けた独自の芸術様式を示しています。

登録基準

  • 登録基準 (ii): ある期間を通じて、またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • 登録基準 (iii): 現存する、または消滅した文化的伝統または文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠。

遺産の価値

アル・ヒジルは、香辛料交易の中継地として栄えたナバテア文明の姿を今に伝える、ペトラに次ぐ規模の遺跡群です。岩窟墓の精巧なファサード(正面装飾)は、古代世界の文化交流を示す貴重な証拠であり、ナバテア人以前の碑文やイスラム時代の巡礼の記録も残る、重層的な歴史を持つ場所です。

遺産の概要

地理と環境

砂漠地帯に位置し、点在する巨大な砂岩の露頭が特徴的な景観を生み出しています。この岩を巧みに利用して墓や祭祀場が造られました。

主要な遺跡

遺跡群は広範囲にわたり、墓のほかにも住居跡や祭祀場などが含まれます。

遺跡 特徴
カスル・アル・ファリド 「孤独な城」の意。単独の巨岩に彫られた最も有名で美しい墓。
カスル・アル・ビント 「娘たちの城」の意。複数の墓が集まるエリアで、精巧な彫刻が見られる。
ディワン(ジャバル・イスリブ) 狭い岩の通路の奥にある祭祀場。宗教儀式が行われたと考えられている。

観光と保全

遺跡は厳格に管理されており、訪問には事前予約が必要です。風化や浸食から繊細な彫刻を守るための保存活動が進められています。ガイド付きツアーが一般的で、遺跡の歴史的背景を深く学ぶことができます。

アル・ヒジルの考古遺跡(マダイン・サレハ)の基本情報

                         
国名 サウジアラビア王国
世界遺産の名称 アル・ヒジルの考古遺跡(マダイン・サレハ)
遺産の種類 文化遺産
登録年 2008
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅱ)(ⅲ)
備考
範囲(ヘクタール)1621.2
地図

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