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世界遺産ライブラリWORLD HERITAGE LIBRARY

WORLD HERITAGE

サウジアラビア文化遺産2021年登録

ヒマー・ナジュラーンの文化的岩絵群

サウジアラビア南西部の古代隊商路沿いに、少なくとも7千年にわたる岩絵と多言語の碑文が残る文化的景観。6構成資産と古井戸群が、環境変化、人びとの往来、生活の記憶を伝えます。

ヒマー・ナジュラーンの文化的岩絵群の写真

ESSENTIAL FACTS

基本情報と登録基準

登録年
2021年
登録基準
(3)
種類
文化遺産
国・地域
サウジアラビア

WHY IT MATTERS

この世界遺産について

基本情報と遺産の価値

ヒマー文化地域はサウジアラビア南西部の乾燥した山地にある文化遺産です。2021年に登録基準(iii)で登録され、2024年に境界が変更されました。6つの構成資産からなるシリアル・プロパティで、登録面積242.17ヘクタール、緩衝地帯77,255.34ヘクタールです。岩絵、碑文、井戸、考古遺構が古代の移動路と生活を伝えます。

七千年を超える歴史の記録

岩絵は少なくとも7千年にわたり、狩猟、動物、植物、人びとの活動を描きました。隊商や軍隊、旅人は20世紀末近くまで碑文や刻画を残し、地域は長期にわたる「岩の図書館」となりました。先史時代から現在に至る連続性を語れますが、全ての図像を同時代・同文化のものとして一括しないことが重要です。

多言語の碑文と構成資産

碑文にはムスナド、アラム・ナバテア、南アラビア、サムード、ギリシア、アラビアなど複数の文字体系が見られます。6構成資産には10万点を超える可能性がある岩絵・碑文の主要な集中地が含まれます。石塚、石造物、埋葬、石器散布地など、未調査の考古資料も多く残ります。

ビール・ヒマーの井戸と隊商路

古代の砂漠隊商路では水場が移動と交易を左右しました。ビール・ヒマーの井戸は少なくとも約3千年にわたり淡水を供給してきたとされ、検問・休息の場所として機能しました。井戸の位置、幅、深さは歴史的ですが、地上の壁や安全用通路には近年の可逆的な整備もあります。岩絵だけでなく、水と移動の関係を理解します。

登録基準(iii)

基準(iii)は、現存または消滅した文化的伝統・文明の例外的な証言を評価します。ヒマーは、長い時代にわたって人びとが岩面へ残した図像と文字により、アラビア半島の文化、環境への適応、往来を比類のない規模で記録します。作品を美術品として切り離さず、場所、道、水場、文化的実践との関係を見ます。

完全性・真正性

広い緩衝地帯と6構成資産が主要な集中地を含み、乾燥環境とベドウィンによる長期の見守りが保存に寄与しました。刻画の風化層、亀裂、文字の年代、他地域との様式比較が真正性の判断材料です。古代に再刻された図像もあり、単純に後世の手入れを偽物と判断せず、継続的な意味付けの証拠として検討します。

保全と観光管理

岩面への接触、落書き、車両走行、無秩序な施設開発は重大な危険です。文化省遺産委員会が管理し、地図と遺跡記録のデータベース、監視、専門人材の育成を進めています。観光施設を整備する場合は遺産影響評価を行い、訪問者数、動線、柵、案内が景観と資料へ与える影響を事前に検討します。

世界遺産検定で覚えるポイント

  • サウジアラビア、2021年登録、基準(iii)
  • 6構成資産のシリアル・プロパティ
  • 少なくとも7千年の岩絵と碑文
  • ムスナド、ナバテア、ギリシア、アラビアなど多言語
  • ビール・ヒマーの井戸は約3千年の水場
  • 古代隊商路と「岩の図書館」

同国のハーイル地方の岩絵とは、所在地、構成資産、隊商路・井戸、多言語碑文という特徴で区別します。

旅の計画と岩絵への配慮

公開範囲、許可、ガイド、道路、気象、安全対策は変わります。岩面へ触れず、なぞらず、水をかけず、位置情報を不用意に拡散しません。砂漠の高温、通信、医療、車両準備も確認が必要です。公開前と訪問直前にサウジアラビア遺産委員会、現地当局、日本の外務省等の最新情報を確認してください。

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