ヒマー文化圏とは
ヒマー文化圏は、サウジアラビア南西部のナジュラーン地方に広がる岩絵群です。古代のアラビア半島を横断した隊商路沿いに位置し、約7,000年間にわたる人類の活動が記録されています。2021年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値と登録基準
この地域の岩絵は、先史時代からイスラム時代初期まで、様々な時代に描かれたものが重なっています。狩猟、儀式、動植物、そして古代の文字などが刻まれており、人類の生活様式や信仰、環境の変化を伝える貴重な歴史的資料です。多様な文化の交流地点であったことを物語る考古学的価値が高く評価されています。
- 登録基準(iii): 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統や文明の存在を伝える、唯一の、あるいは少なくとも稀な証拠となるものである。
岩絵群の特徴
ヒマーの岩絵群は、広大な砂漠地帯の岩壁に点在しています。描かれた絵や文字は、この地を訪れた旅行者、軍隊、巡礼者たちが残したものであり、数千年にもわたる歴史のタイムカプセルとなっています。
岩絵のテーマ | 特徴 |
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狩猟と牧畜 | 当時の人々の生活や、家畜化された動物との関わりが描かれている |
人物と儀式 | 人間の姿や踊り、宗教的な儀式の様子が表現されている |
碑文 | 南アラビア文字やアラビア文字など、複数の古代文字が刻まれている |
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. “Ḥimā Cultural Area”. https://whc.unesco.org/ja/list/1619