人間環境宣言(ストックホルム宣言)とは、1972年にスウェーデンのストックホルムで開催された国際連合人間環境会議にて採択された宣言で、国際社会が初めて開発問題と環境保全について取り組み、その原則についてまとめたものです。前文7項目及び原則26項目で構成されています。
この宣言では、「自然のままの環境と人によって作られた環境は、共に人間の福祉、基本的人権ひいては、生存権そのものの享受のため基本的に重要である」として、環境保護・改善が人間のそもそもの義務であり、人類の福祉や経済発展において重要であると謳っています。
共通の信念として、以下のような項目が重要な目標として原則に掲げられています。
- 環境に関する権利と義務
- 天然資源の保護
- 野生生物の保護
- 海洋汚染の禁止
- 核兵器などの大量破壊からの回避
- 開発の促進と援助
この国際連合人間環境会議において文化遺産と自然環境を保護・保全する条約作りが進められ、同年のユネスコ総会にて世界遺産条約としてまとめられました。
人間環境宣言の位置づけ
人間環境宣言は国際条約ではないため、署名や批准手続きがないことはもちろん、宣言で掲げられた原則からは国の権利や義務は生じません。
しかし、その後人間環境宣言の原則はウィーン条約やリオ宣言などの条約で言及されており、国際環境法分野で基本文書として国際的に認識されているのです。
ストックホルム国連人間環境会議の初日である6月5日は「世界環境の日」と定められています。