シュンドルボンとは
シュンドルボンは、バングラデシュとインドにまたがる世界最大のマングローブ林で、1997年にバングラデシュ側の区域がユネスコの世界自然遺産に登録されました(インド側は1987年に登録)。ガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川が形成する広大なデルタ地帯に位置し、淡水と海水が混じり合う独特の環境が豊かな生態系を育んでいます。
世界遺産登録基準
- (ix) 陸上、淡水、沿岸および海洋の生態系や動植物群集の進化や発展において、進行中の重要な生態学的・生物学的プロセスを代表する顕著な見本である。
- (x) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいる。これには、科学上または保全上の観点から、普遍的価値を持つ絶滅のおそれのある種の生息地などが含まれる。
遺産の価値と生態系
シュンドルボンの価値は、その比類なき生物多様性にあります。特に絶滅危惧種であるベンガルトラの最大の生息地として世界的に重要であり、水辺を泳ぐ姿が観察されることもあります。その他にも、イリエワニ、ガンジスカワイルカ、多種多様な鳥類、魚類、無脊椎動物が生息しています。この広大なマングローブ林は、複雑に絡み合った根が土壌を固定し、サイクロンや高潮から沿岸地域を守る天然の防波堤としての極めて重要な役割も果たしています。
シュンドルボンの特徴
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 生態系 | 世界最大級の単一のマングローブ林、独特の汽水域環境 |
| 主要な保護対象 | ベンガルトラ、イリエワニ、ガンジスカワイルカ、希少な鳥類 |
| 地理的重要性 | デルタ地帯の安定化、気候変動に対する自然の緩衝材 |