オアハカの歴史地区とモンテ・アルバンの考古遺跡とは
メキシコ南部のオアハカ州に位置する世界文化遺産で、1987年に登録されました。紀元前に栄えたサポテカ文明の中心都市「モンテ・アルバン」の考古遺跡と、スペイン植民地時代に建設された「オアハカ」の美しい歴史地区という、時代も性格も異なる二つの資産から構成されています。
遺産の概要と特徴
モンテ・アルバンの考古遺跡
紀元前500年頃から8世紀頃まで、サポテカ文明、後にミシュテカ文明の中心地として栄えた古代都市の遺跡です。丘の頂を平らにして築かれた計画都市で、天文観測に基づき配置されたピラミッドや神殿、球戯場、墓地などが残っています。その壮大な景観と建築技術は、メソアメリカ文明の傑作と評価されています。
オアハカの歴史地区
16世紀にスペイン人によって建設された植民都市で、碁盤の目状の美しい街並みが特徴です。耐震性を考慮した重厚なバロック様式の石造りの教会や邸宅が多く、緑の石材(カンテラ・ベルデ)が多用されているため「緑の石の都」とも呼ばれます。先住民文化と植民地文化が融合した独自の雰囲気を持ちます。
世界遺産登録基準
- (i) モンテ・アルバンは、先コロンブス期のラテンアメリカにおける都市計画の傑作である。
- (ii) 1000年以上にわたる異なる民族文化の交流を示す顕著な例である。
- (iii) オアハカ地方で消滅したサポテカ文明やミシュテカ文明の文化的伝統を伝える類まれな証拠である。
- (iv) オアハカの歴史地区は、スペイン植民都市の建築と都市計画の優れた典型である。
主要な遺跡と建造物
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| モンテ・アルバン遺跡 | 丘の上に広がる古代都市遺跡。中央広場、神殿、天文台跡などが残る。 |
| サント・ドミンゴ教会 | オアハカ歴史地区の代表的な教会。内部の豪華な金箔の装飾で知られる。 |
| オアハカ大聖堂(カテドラル) | 歴史地区の中心、ソカロに面して建つ荘厳な教会建築。 |