プエブラの歴史地区とは
メキシコ中部に位置する都市プエブラの歴史的な中心市街地で、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。1531年にスペイン人によって計画的に建設された植民都市であり、ヨーロッパのルネサンス様式やバロック様式と、先住民の芸術的要素が融合した独自の建築群が良好に保存されています。
遺産の概要と特徴
「天使の街」とも呼ばれるプエブラの歴史地区は、その美しい都市景観に価値があります。
- 建築様式: 地元で生産される色鮮やかなタラベラ焼きのタイルで壁面を装飾した教会や邸宅が数多く残っており、他に類を見ない華やかな景観を生み出しています。特に、バロック様式の宗教建築は圧巻です。
- 都市計画: スペイン植民都市の典型である碁盤の目状の都市計画が維持されており、街路と広場が調和した景観を保っています。
- 文化的伝統: プエブラは、メキシコを代表する陶器「タラベラ焼き」の産地としても知られ、その伝統技術は現在まで受け継がれています。
世界遺産登録基準
- (ii) ヨーロッパの建築・芸術様式がアメリカ大陸の地で独自の発展を遂げた文化交流の顕著な例である。
- (iv) 新大陸におけるバロック様式の都市計画と建築の優れた典型例である。
主要な建造物
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| プエブラ大聖堂(カテドラル) | ルネサンス様式とバロック様式が混在する壮麗な教会。ラテンアメリカで最も高い双塔を持つ。 |
| ロザリオ礼拝堂 | サント・ドミンゴ教会内にある礼拝堂。内部が金箔と彫刻で埋め尽くされ、メキシコ・バロックの最高傑作と称される。 |
| 旧大司教館(アンパロ博物館) | タラベラ焼きのタイルで飾られた美しいファサードを持つ歴史的建造物。 |